暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン -旋律の奏者- コラボとか短編とかそんな感じのノリで
幻影の旋律
狂喜乱舞
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いてくる。 しかも全員の武器に毒が塗られているだろうことは明白で、無理に仕掛けたり回避も防御も間に合わなければかなり悲惨な負け方をしそうだ。
と言うか、レイさんがこちらに向けている槍の刀身部分の色合いから察するに、あそこに塗られているのはクーネさんがサラマンダー戦の折りに僕から掠め取った麻痺毒なのは明白である。 あの時に使われなかった麻痺毒をここで使っていると言うことは、クーネさんは僕がデュエルを吹っかけることを予想していたのだろう。 全く以って腹黒だ。 まあ、各方面からお前が言うなと言われそうだけど。
ありとあらゆる可能性を精査して、ありとあらゆる対策を思考する。
僕が口癖のように言い続けていたスタンスをうまい具合に真似された形だ。
「んー……」
通常の《心渡り》は相手の意識をある程度外さないと使えないので、状況がここまで固定された現状ではそもそも発動さえできない。 それに、もし使えたとしてもヒヨリさんには通用しないので、結局は無意味と言う最悪さだ。
「やっぱり少し本気を出そうかな」
これ見よがしに呟くとレイさんの持つ槍が僅かに揺れる。
瞬間、僕は雪丸を回転させながら放り投げた。
くるくると回る雪丸。 その進路にいるのはレイさん。 特に攻撃の意図のない雪丸はあっさりと弾かれるけど、その一瞬があれば十分だ。
「レイちゃんっ!」
「ーーーーっ」
僕の意図を察したのか、あるいは僕の動きを見切っていたのか、真っ先に声を上げたのはヒヨリさんで、レイさんは数瞬遅れて僕の意図に気がついた。
けれど、もう遅い。
腰の鞘から抜き放った片手剣を左右両の手に装備した僕は、出せ得る限りの最速で槍の間合いを侵す。
初撃は槍の横っ腹を左手に装備したマレスペーロで打ち払う。
続くニ撃目は更に踏み込んで右肘による打撃。 ソードスキルを使っていない上にそこまで力を込めていないので決着には程遠い。
そこでレイさんを助けようとティルネルさんが矢を番え、ヒヨリさんが一歩踏み込んだ。
そう。 こちらの予想通りに、だ。
「なっ……」「え?」「はい?」
三者三様の声は僕の行動が全くの予想外のものだったからだろう。 なにしろ僕は、せっかく装備した双剣を天高く放り投げたのだから。
けれど、さすがは攻略組に於いてもトップクラスのプレイヤーたちだ。
丸腰になった僕の行動の意図を探るように警戒はしながらも、かと言って隙だらけになった僕に一斉に攻撃を仕掛ける。 まあ、それもまた予想通りだけど……
まず発動したのはティルネルさんのソードスキルだ。
いかに僕があらゆるソードスキルのモーションを記憶していようとも、そもそも公開されていないソードスキルを前にしては無力
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