暁 〜小説投稿サイト〜
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幻影の旋律
狂鬼乱舞
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けている敵に向かって振り下ろす。
このままいけば《爆裂》の効果を持って敵の命を喰らってしまうだろう左拳は、しかし寸前で軌道を変えて敵の顔面スレスレに着弾した。
顔の右側で突如発生した爆音に眉をひそめることさえもせずに、敵は《少女》の目をまたも見てしまう。
虚無。
そこに興味の欠片すら見出せない虚無の瞳。
殺す寸前までいったことさえも気に留めていないがらんどうの瞳に、敵は……リンは再び戦慄した。
「うふふ、危ないところでした。 これもあれもそれも殺さない。 それがフォラスとの約束だったのに、私としたことがついつい殺してしまうところでした」
そこに狂気はない。 殺意もない。 敵意すらなく、もちろん害意もない。 あるのはただ、自身が愛する者への恋慕だけ。
既に《少女》の世界は固定されている。 既に愛する者以外は何も見えていない。
「おい、ーーーーっ」
鷲掴みにしていた右手の拘束が外されたのでようやく声を上げたリンの顎が強かに打ちつけられ、その言葉さえも遮断される。
「ふふ……」
そして嗤う。
「うふふ……」
《少女》は嗤う。
「声を上げないでください。 動かないでください。 私は今、フォラスの声を聞いているのです。 フォラスの声を再生しているのです。 それをあなたが如き有象無象に邪魔されたら私、怒ってしまいますよ?」
リンの顎を手の平で押し付け、頭頂部を地面に突き刺さんばかりの力が篭るが、それもすぐに緩む。 それでも顎から手は離れず、顔の真横に突き刺さった左手も動く気配がない。
「これもあれもそれも殺さないと言うお願いがなければ今すぐにでも吹き飛ばすところですが仕方がありません。 私は良き妻ですから、夫のお願いはどんなことであれ全うしましょう」
だから抵抗しないでくださいね?
軽やかに発せられた優雅な口調での最後通牒にリンは従うしかなかった。
先にやられてしまった2人の敵、ニオとリゼルも何もできずに動けなかった。
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