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幻影の旋律
狂鬼乱舞
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てようやく悟り、そして狼狽した。
先ほどのフォラスが撒き散らした狂気はあくまでフェイクであり、ヒヨリを殺す意思などフォラスにはなかったのだ。 だと言うのにクーネはそれに騙され、ヒヨリを突き飛ばしてしまった。
それはつまり、フォラスを信じていなかったことに他ならない。
フォラスに限ってヒヨリを殺さないと思えず、反射的にヒヨリを庇ってしまった。 フォラスを信用しきれなかった。
「ち、ちがっーー「クーネさんは脱落だね」
言い訳さえ許さないフォラスの態度は、それだけの悲しさを思わせた。
もしもクーネがフォラスを完全に信用していればヒヨリを突き飛ばすことはなく、ここで脱落していたのはヒヨリだったはずだ。
「別にいいよ。 仕方ないもんね」
苦しげに吐き出したフォラスの声は、あまりにらしくないほど掠れていた。
時間軸を少し巻き戻そう。
開戦直前、フォラスはアマリにとあるお願いをした。
全力でお願い、と。
ここで言う全力とは《アマリとしての全力》ではなく、《本当の意味での全力》だ。
全力。
アマリとしてではなく、アマリをロールするプレイヤーに対してのお願い。 フォラスの前でさえ殆ど見せないアマリの素を、フォラスが初めて要求したのだ。
このデュエルを勝つためだけになされたお願いを、しかしアマリは……否、《少女》は了解した。 愛するフォラスからのお願いを全うできなければ《アマリ》としても《少女》としてもフォラスの隣にはいられない。 少なくとも少女はそう感じた。
故に笑う。
少女は笑う。
フォラスに頼られたと言う事実だけで、少女には十分すぎたのだ。
減少していくカウントダウンを横目で見つつ、少女は《敵》の動きを冷静かつ的確には解析する。
今までの模擬戦の経験から、アマリはそこまで警戒されていなかった。 だからこそアマリに対して配置されたであろう戦力はニオとリゼルの2人だけで、それ以外の意識はフォラスに向かっていた。
(やれやれ、舐められたものですね。 いえ、この場合は舐めてくれてありがとう、と言うべきですか……)
《アマリ》であれば絶対に構築できない冷静な思考を回しながら《少女》は嗤う。
精々そのまま勘違いしておけばいいと《少女》は嗤う。
そしてカウントダウンはゼロへと近づき、それを確認して両手斧のでぃーちゃんをズッと持ち上げた。 それでも警戒されているのはフォラスであり、その事実だけで《少女》は必死に笑いを堪える。
視界の端に映るカウントダウンが消えるその直前に《少女》はでぃーちゃんを振り下ろして《爆裂》を発動した。
地面とでぃーちゃんとの接触点が爆ぜ、そこから発生した轟音と噴煙と衝撃
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