暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン -旋律の奏者- コラボとか短編とかそんな感じのノリで
幻影の旋律
狂気乱舞
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「多分、向こうは戦力の分断を図ってくると思う。 まあ、いつも通りの手だし、よくある手だけど、それでもその手が最も有効なのは間違いないからね」
「あはー、そんなの関係ないですよー。 邪魔する奴は全部ぶっ殺すです」
「いや、今回はぶっ殺すのはなしね。 殺さないって言うのは絶対条件。 これは譲らないよ」
「うー、わかったですー……」
明らかに不満そうな返事に笑いながら僕は考える。
クーネさんたちがどう思っているのかは知らないけど、今回の遊びは僕たち側が圧倒的に不利だ。
単純な頭数の差もそうだし、個々人のステータスだって言うほどの差はない。 むしろ色々な面で振り切れている分、向こうが優れている部分が多いだろう。
単純な敏捷値であれば僕はヒヨリさんに勝てないし、単純な筋力値であればアマリはニオちゃんに勝てない。 指揮能力はクーネさんに劣り、攻撃のバリエーションではリンさんに劣り、隠密性ではリゼルさんに劣り、毒薬類の多彩さではティルネルさんに劣り、連携を考えた立ち回りではレイさんに劣る僕たち。
過去何度も繰り返してきたクーネさんたちとの模擬戦での勝率は8割を超えるけど、だからと言って余裕で勝っていたわけではないのだ。 あるいはクーネさんはそう思っているかもしれないし、そう誤認するように僕は余裕を演出したりしていたものの、いつだってギリギリの勝利だった。
今回はそこに3人の手練れが追加されている。 正直に言って勝算はかなり薄いだろう。
「まあでも、今更キャンセルするつもりもないけどね」
向こうが僕たちの戦闘スタイルを熟知しているように、こちらも熟知しているのだ。 追加された3人の戦闘スタイルも今までの戦闘で大まかには掴めている。 なら、それらを念頭に置いて策を練るだけだ。
クーネさんは全体を見渡して指揮を執るのが抜群に巧く、それでいて剣士としても有能であるから相手にするのは大変だ。 敏捷値優位のバランス型片手剣士。 付け入る隙は少ないけど、様々なポジションをそつなくこなすと言う役割上、突き抜けた《何か》を持っていないのが隙と言えば隙だろう。 《武器防御》スキルから派生した《受け流し補正》と《叩き落とし補正》は要注意。
レイさんは長物武器の利点であるリーチの広さと各種デバフのばら撒きを活かした足止めが脅威。 リーチの長さを逆手に取って懐に飛び込んでも《体術》スキルによって迎撃されるのがオチなのでやっぱり危険だ。 クーネさん同様に《受け流し補正》と《叩き落とし補正》にも警戒が必要、と。
リゼルさんは高速隠密機動が危険すぎて泣けてくる。 索敵が使える普段の状況でさえ手を焼くのに、索敵を使えない今となっては泣く暇すらないと言うとんでもぶりだ。 使用武器がリーチの短い短剣だからと言って油断はで
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