暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン -旋律の奏者- コラボとか短編とかそんな感じのノリで
幻影の旋律
狂気乱舞
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にするのなら当然のものだろう。 なにしろ前科の数が違う。
ある時は心渡りを使わないと言っておいて使ったり、ある時は体術しか使わないと言っておいて毒を使ったり、そんなことばかりしているので信用されなくて当然だ。
ニコリと笑いつつ相手の配置に目を配る。 どうやら予想通り、こちらの戦力を分断するつもりらしい。
ニオちゃんとリゼルさんがアマリに対してさりげなく視線を送り、他のメンバーが僕の挙動を警戒している。 本人たちは気づかれないようにしているつもりのようだけど、僕から見ればバレバレだ。
だからこそ、付け入る隙がある。
普段のニコニコ笑顔の仮面で隠してほくそ笑みながら、僕はアマリに視線を投げ、それからデュエル申請を受諾した。
直後に始まるカウントダウンを尻目に、警戒しているクーネさんたちを見る。 ここまでくれば後はなるようになるだけだ。 策はあるし、打てるだけの手は打ったし、何より仕込みは万全だ。
クーネさんたちと合流してから今までの長い間、まさか僕が何も仕掛けていなかったなんて、そんな甘いことを考えているようなら勝ちは譲らない。
さあ、
遊び
(
お楽しみ
)
の時間だ。
指揮官であるクーネは段々とゼロに近づくカウントを、もう全く見ていなかった。
見る余裕なんてない。 一瞬でも目を離せば、気を逸らせば、意識を集中させなければ、フォラスを捉えることは叶わない。 いや、たとえ目を離さずとも、気を逸らさなくとも、意識を集中させていようとも、フォラスの心渡りの前では無力だろう。
それはそこまで恐ろしい絶技なのだ。
誰の目にも映らず、誰の気にも触れず、他者の集中を手玉に取り、《意識の空白》を渡る技。
その原理の説明を細かく受け、それどころか実技のレクチャーまで受けたと言うのに、クーネたちの誰もが《心渡り》修得には至らなかった。 そして看破することさえままならない。
唯一取れる対抗手段は、だから、《心渡りを使われる前に物量で押し切る》と言う、おおよそ策とは言えないようなものだけだった。
『圧倒的に不利な状況でも弱気にならない。 それは対人戦に限った話じゃないけど、対人戦では特に重要だよ』
ふと思い出すのは、柔らかな微笑と共に言われたフォラスの言葉。
それは何回目だかの模擬戦の後。 1対4の状況でさえ手をこまねいていた頃の話しだ。
『弱気になれば相手に呑まれる。 相手に呑まれれば活路は絶たれる。 指揮官のクーネさんが呑まれればパーティー全滅だってあり得るんだよ? 常に冷静に、常に活路を探り、常に前を向き、常に先を見る。 それができないならチームのリーダーとしては落第だね』
妙に実感の篭った忠告を、あるいは叱責をクーネは今でも鮮明に覚えてい
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