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ソードアート・オンライン -旋律の奏者- コラボとか短編とかそんな感じのノリで
幻影の旋律
ラスボス現る
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吹き飛ばせるのかもしれない、と。

 しかし、それが誤りであることを早々にクーネが指摘してしまう。

 「アマリちゃんは正直問題にならないわ。 あの筋力値は確かに警戒するべきだけど、良くも悪くもパワー主義だもの。 付け入る隙はいくらでもある。 もっとも、《爆裂》なんて隠し玉があるなんて知らなかったけど」
 「待て。 あいつは今まで《爆裂》を使ってなかったのか?」
 「そうよ」

 あっさりと頷かれたリンは、爆裂を始めて見た時のことを思い出す。 あの時、リゼルはリンにはこう問うたのだ。
 『アレは一体なんだい?』と。
 あの問いはだから、アマリを指して言ったものではなかったのだ。 そもそも旧知である以上、そんなことはリンに聞く必要はなく、つまりあの問いは爆裂についての問いだったのだろう。

 「アマリちゃん単体であれば、1対1での勝率は……そうね、7割くらいかしら。 それがフォラス君の場合、1対1どころか1対3でようやく互角よ」
 「……あいつはそんなに強いのか?」
 「別次元ね。 いえ、レベル自体は大差ないはずよ。 対モンスターに限って言えばプレイヤースキルもそこまで飛び抜けてはいない。 問題は……」
 「対人戦闘の熟練度、か……」
 「ええ」

 そう。
 フォラスの最も異質なところはそこにある。
 デスゲームであるSAOに於いて、非常に稀有な対人戦闘に精通したプレイヤー。 半年以上にも及ぶ長期間、復讐のためだけに生きた悪鬼。 そこで磨かれた技は、戦力差など容易に覆すほどに極まっている。

 「フォラス君にソードスキルは一切通用しないわ。 モーションの段階で潰されてソードスキルをそもそも発動できないもの」
 「だが、それくらいならレイにだって……」
 「うん、剣技阻害(スキルキャンセル)。 長物武器の使い手なら誰でもできるし、もちろんボクだってできるよ。 でも、フォラスはそれだけじゃないから」
 「どう言うことだ?」
 「フォラス君は公開されている全ての武器のソードスキルを記憶しているの。 モーションから軌道を完璧に計算できるそうよ。 だから、普通にやればソードスキルは一切通用しない」

 2度目になる断言は、確かな重さを伴ってリンを襲う。

 リンも対人戦闘の経験はある。
 そうでなくともソードスキルを当たり前に使うモンスターがいる以上、様々な武器のソードスキルを記憶している。 それでもモーションを見ただけで軌道を完璧に計算できるかと問われれば否だ。
 SAOは数多の武器種とそれに対応しただけ恐ろしい数のソードスキルがあり、それらを全て記憶するなんてことはリンにはできない。 いや、他の誰だってできないだろう。

 「さすがは《ドクター》、と言うべきか……」
 「それ、本人が嫌がるから
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