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幻影の旋律
咎人の最期
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族の小僧風情に復讐の理を説かれるとはのう」
「…………」
「全く以って不愉快じゃ。 貴様のような小僧の言葉で目を覚ますなど、一生の不覚よ」
そこにいたのは魔剣に侵食されたケクロプスだったものではなく、龍人族であり四天王の主人でもあったケクロプスその人だった。
ケクロプスは初めて見た時よりも矍鑠と、いっそ清々しく笑う。
「のう、小僧よ。 貴様は何かを失ったことがあるかえ?」
「……あるよ。 たくさん失った。 数えるのが嫌になるくらい、たくさん」
「かかっ、ならば、貴様になら儂の痛みが理解できよう?」
「うん、わかるよ。 痛いくらい、わかる……」
「のう、小僧よ」
「何?」
「儂は、やり直せるかのう?」
遠くを見る目に最早僕たちは映っていないのだろう。 それは、これから向かう先へと既に向いていた。
だからこそ、僕が言うべき言葉は決まっている。
「できるよ、きっと。 向こうでやり直せる。 思う存分、ケンカしてきなよ」
「楽しみじゃのう。 今度は負けんぞ、我が友よ……」
「それは向こうにいる友達に言ってあげなよ。 ここで惚気られても挨拶に困るから」
「かかか、口の減らん小僧じゃわい」
かかっ、とまた笑って、ヒビだらけになったケクロプスの身体が淡く発光する。
「小僧、最後に名を聞かせてくれ」
「……フォラス」
「かっ、ずいぶん優しい悪魔がいたものじゃな。 これで友へのいい土産話ができたわ。 感謝するぞ、フォラス」
言って、ケクロプスを包む光が瞬き、それが治るとそこには誰もいなかった。
「あなたは、最後に誇りを取り戻したんだね……」
消滅してしまったケクロプスに届くかわからないけど、僕はいつものセリフを口にする。
「誇り高き復讐者よ。 あなたの死後が友と共にあり、心穏やかなることを」
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