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幻影の旋律
咎人の最期
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るった。
薙刀重単発ソードスキル《血桜》
単純極まる右斜め下から振り上げる斬撃の軌道にはアマリがいる。
けれど、接触する直前、まるで背中に目でもあるのかと疑いたくなるような正確さでアマリの身体が沈み、雪丸の刃をスレスレでやり過ごした。
雪丸が狙い違わずケクロプスの肥大化した右腕を捉え、その硬質な感触が僕の腕に伝わる頃には、既にアマリの攻撃の準備が完了している。
「あっはぁ!」
ぐわんと持ち上げられた桜色の可愛らしい頭が《血桜》で体勢を崩していたケクロプスの顎をかちあげ、次いで《でぃーちゃん》を手放した小さくて愛らしい右手がその顔面を容赦なく掴む。
《でぃーちゃん》を振るう攻略組屈指の筋力値によるアイアンクローには背筋が凍るけど、残念なことにアマリの攻撃はまだまだ終わらない。
「あーーーーっ!」
狂気の絶叫を迸らせながら1歩踏み込むと、ケクロプスの足が地を離れる。 そして、勢いをそのままにその後頭部が地に振り下ろされた。
「ーーーーっはぁ!」
瞬間、ケクロプスの後頭部による地面への攻撃をシステムが検知したのか、《爆裂》が発動。 着弾地点が爆ぜ、噴煙が立ち上る。
地面に叩きつけられた上に《爆裂》の追い打ちには同情するばかりだ。 夫婦喧嘩でよくやられる身としては、もう他人事とは思えない。 あれは本当に辛い。
と、噴煙からアマリが飛び出してきて、僕の隣に着地した。 キラキラとでも効果音がつきそうな上目遣いは褒めて欲しいのだろう。
戦闘中の緊張感とか、今しがたやった暴挙とか、そんなことは微塵も感じさせない緩い笑顔に負けて柔らかな髪を撫でると、「うにゅぅ」と嘆息なのか歓喜なのかよくわからない声を漏らした。 まあ、可愛いので良しとしよう。
「まだ終わってないけどお疲れ様」
「あはー、ぜんっぜん疲れてないですよー。 まだぶっ殺し足りないです。 暴れ足りないです。 鏖殺が足りないですー」
「それはこーー「気を抜かないで! まだ終わってないわよ!」
「……フォラスくんの声をかき消すなんて万死に値するですよー」
気の抜けた会話中の僕たちを叱責するクーネさんに対してポツリと一言。
内容が危なすぎるし僕がどうこう言える内容でもないのでスルーしておこう。 それにどう言ったところで、アマリがクーネさんたちに危害を加えることは僕がそばにいればありえないので問題はないだろう。 僕がいなければその限りではないのが若干不安ではあるけど。
クーネさんには手を振って返して、僕は噴煙に視線を移す。 今のアマリの攻撃を含めて最後のHPバーは半分を切ったので、ここでまた行動パターンが変更されるはずだ。 警戒を緩めるわけにはいかない。
最後のHPバーの半分。
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