暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン -旋律の奏者- コラボとか短編とかそんな感じのノリで
幻影の旋律
戦慄を誘う魔剣
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「あの、フォラスさん。 その顔はちょっと怖いです」
「ん? このプリティフェイスが怖いって?」
「自分で言わないでください」
駆けながら合流したニオちゃんにピシャリとやられてしまう。
アマリとのノーム戦が余程大変だったのだろう。 ずいぶんとニオちゃんらしくないやさぐれ仕様だ。 もっとも、だからと言って生真面目で小心者なニオちゃんなので、こちらをチラリと確認して僕が怒っていないか確かめる辺り、まだまだやさぐれ度は低い。
「さて、ニオちゃん。 頼りにしてるよ」
「任せてください。 攻撃は私が全部防ぎます」
「じゃあ、もしかして僕はいらない?」
「そ、そんなことはありません」
「っと、無駄話はここまでみたいだ、ね!」
射程に入った僕たちを魔剣の横薙ぎが襲う。
腕と刀身の肥大化に伴って伸びたリーチを見極めながら僕は跳び、ニオちゃんはそれを盾で受け止めた。 《ロマン盾》の面目躍如となる抜群の防御能力を発揮して小揺るぎもしないニオちゃんを視界の端に収めながらケクロプスの背後に着地。 振り向きざまに雪丸を強振して背を切り裂いてHPバーの変動具合を確かめると、それは行動パターン変更前と大差ないダメージを叩き出していることがわかった。
つまりは硬度面に関しては特段の変化はなし。 手応えからもそれは明白で、加えて回避パターンも向上していないようだ。
あくまで予想の範囲内から逸脱しない強化具合には少しだけ落胆するけど、それでもこのまま安全にことが進んでくれるならそれでいい。
今は僕とアマリの2人だけではないのだから、無茶も無謀も出来る限りは避けたいのだ。
だから大人しく殺されてね?
そんな言葉を僕は小さく呟いた。
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