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幻影の旋律
反逆の咎人
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戦力は推測できないけど、それでも四天王以上であることは間違いないのだ。 余計なことに思考のリソースを割いている余裕はない。

 「クーネさん」
 「ええ。 まずは手筈通り様子見するわよ!」

 クーネさんの鋭い指示にそれぞれが了承の意を示すと、事前の打ち合わせ通りに各々が散開する。

 初見のモンスターと戦う際は攻撃パターン、行動パターン、防御パターン、回避パターン、そんなあれこれを見て、それから細かい作戦を考えると言うのが基本だ。 ドラゴンへと変貌したサラマンダーをぶっ殺した時のような特攻は論外である。

 アマリはそう言う基本を全くと言っていいほどに頓着しないし、僕も2人で戦う時はあまり頓着しない。 僕とアマリの2人であれば大抵の敵はぶっ殺せると言う自信と、そもそも我慢したくないと言う我意のせいだ。
 それでも今回の戦闘に限って言えば、クーネさんから割と切実にお願いされているので前回のような暴走はしない。 多分しない。 いや、しないようにしたい。

 我がことながら微妙に信頼のない思考に苦笑いを零しつつ僕は戦場を駆け抜ける。
 さあ、我慢の始まりだ。
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