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幻影の旋律
反逆の咎人
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し。
それ以外にも使ったポーションや毒薬の補充はお説教から解放された僕とティルネルさんとで早々に終わらせたし、作戦の割り振りもクーネさんを中心に既に終えている。
で、現在。
「ふむ。 貴様らがここに来たということは、奴らは仕事を果たせなかったと言うわけか。 嘆かわしいのう」
《鍛治師の願い》のクエストボス、ケクロプスは、僕たちを揃って睥睨するとそう言った。
四天王と戦った部屋がダンジョン最奥だと思っていたけど、あの部屋には隠し扉があってその先がまだまだあったわけだ。 四天王を殺すとアンロックされる仕組みになっていたらしい扉の先は広々とした空間が続いていて、その中央にケクロプスはいた。
四天王戦直前の会話で封印の解除をすると宣言していたケクロプスの手には、件の《魔剣》と思しき剣がある。 四天王戦に時間をかけ過ぎたのか、それともその後のあれこれに時間をかけ過ぎたのか、あるいは元からそう言う仕様だったのかはわからないけど、どうやら封印の解除とやらは終了しているらしい。 鞘から抜き放たれた剣は妖しくも美しい血のような紅色の輝きを放っている。
「人族程度の足止めをできんとは、奴らも存外頼りない。 まったく、儂の手を煩わせるなど、使えん駒たちじゃ」
続くケクロプスの言葉はクエストのシナリオ通りのものなのだろう。
敵だった四天王を擁護する義理はないし、そもそも四天王を殺してここまで来た僕たちに何かを言う権利はないのかもしれないけど、それでも僕は口を開いてしまう。 散っていった四天王を慮ってではなく、あくまで僕の意思で。
「彼らは十分強かったよ。 部下の能力を正確に判断しないで自分の感情だけを頼りに『使えない駒たち』なんて言う辺り、底の浅さが知れるね」
「貴様のようなガキが偉そうにほざきよるわ。 使えん駒を使えんと言って何が悪いのじゃ?」
「やれやれ、老いて耄碌するのは人間も龍人も一緒みたいだね。 チームを率いるリーダーはチームの責任を全て負う。 チームのミスはリーダーの責任だ。 それを理解できないあなたに主たる資格はない。 威張り散らすだけの老人は目障りだよ」
「かかっ、ならば儂が威張り散らすだけの老人かどうか、その身で確かめてみるがよい」
どうやら挑発は不発に終わったらしい。
妙に人間臭いから挑発に乗ってくるかとも思ったけど、それは期待のしすぎだったようだ。 とは言え、挑発されていることには気づいているような反応なので、どうやらケクロプスの性格の問題なのかもしれない。 年を重ねた分だけ忍耐強くなった、とか言う理由で挑発をスルーしているのだとしたら、それはいよいよ本格的に人間臭すぎる。
そんなどうでもいい思考をそこそこに、僕は頭を戦闘モードに切り替えた。
ケクロプスの正確な
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