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ソードアート・オンライン -旋律の奏者- コラボとか短編とかそんな感じのノリで
幻影の旋律
焔を纏う精霊
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溜めていたヒヨリさんが動き出す。
ヒュンと、僕の視力を以ってしてもギリギリ視認できるほどの速さで振るわれる怒涛の8連撃は細剣技最上位ソードスキル《バニッシュメント・サイト》だ。 アスナさんが好んで使う《フラッシング・ペネトレイター》に近しい技だけど、その隙の多さから使う人は少ない。 連携に慣れている仲間のバックアップがあるとは言え、それをこの場面で使えるなんて随分な胆力だ。 余程の信頼が見て取れる。
この時点でサラマンダーのHPがレッドゾーンに突入する。
同時にヒヨリさんが飛び退き、サラマンダーが咆哮をあげる。
HP減少に伴う行動パターンの変更。
シルフとウンディーネにはなかった仕様だけど、どうやら四天王のリーダーであるらしいサラマンダーにはあるようだ。
「さて、鬼が出るか蛇が出るか……」
「何を余所見しているのですか? 殺しますよ?」
「いやいや、僕の目にはアマリしか映ってないよ」
「本当ですか? もしも嘘だとその目を抉り取りますよ?」
「うん、もちろん嘘じゃないよ」
僕の背を伝う冷や汗はサラマンダーの行動パターン変更を警戒しているからだ。 いや、決して少女モードのアマリの愛が重いからではない。 そう、本当に。
「グッ、ガァアアアァァ!」
そんな僕の冷や汗を吹き飛ばす勢いでの咆哮は行動パターンの変更を終えたサラマンダーのものだろう。 さすがにこれを確認しないとまずいけど(主にクーネさんたちのピンチ的な意味合いで)、確認するのも色々とまずい(主に僕の両目的な意味合いで)。 よし、最後の手段だ。
「アマリをむぎゅー」
「ふふ、どうしましたか? フォラスから抱きついてくるとは珍しいですね」
「いやー、アマリがあまりにも可愛くてね」
ギュッとアマリを抱きしめながらさり気なく体勢を変えて鉄火場に視線を移す。
「わーおー」
そこにいたのは龍。 いつぞやの龍皇と同様の紅蓮の龍。
体高は10mほどもあるだろうか。 ゴツゴツとした鱗と長大な尾を持つ龍は眼下にいるクーネさんたちを揃って睥睨していた。 呆れたことにレッドゾーンにまで削ったHPが半分まで回復し、更なる戦闘が約束された状況に於いて僕は笑う。
「ねえ、アマリ」
「はい?」
「偶然、つまり偶々視界を掠めたんだけど、あそこにでっかい龍がいるよ」
ピクリとアマリの身体が震える。
「僕としてはこのままアマリを抱きしめててもいいんだけど、あれ、ぶっ殺したくない?」
ピクピクとアマリの身体が震える。 そして噴き出すのはアマリの象徴とも言える絶大な狂気と濃密な殺気。
「あそこまででっかくなったらみんなを巻き込むとか考えなくていいし、全力でぶっ殺せるよ。 ねえ、どうす
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