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ソードアート・オンライン -旋律の奏者- コラボとか短編とかそんな感じのノリで
幻影の旋律
指揮官の焦り
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れる。 救ってくれるのは何も神様なんて不確かな者じゃないわ。 人があなたを救ってくれるの』
 「『だからあなたは人を信じなさい。 それがいつかあなたを助けてくれるから』」
 「『だからあなたは人を信じなさい。 それがいつかあなたを助けてくれるから』」

 それはSAO攻略最初期の頃。 人嫌いの極地にいたフォラスに向けたクーネの言葉。
 まさか覚えているなんて思ってもいなかった言葉だが、フォラスは一語一句間違えずに覚えていた。 その言葉があったからフォラスは仲間を得ることができたのだ。 忘れたことなんて一瞬だってなかった。

 「と言うわけでクーネさんはもう少し僕たちを信じてよ。 大丈夫、僕たちは結構強いからさ」

 ニヒっとフォラスにしては珍しい少年らしい笑みを浮かべ、クーネの髪から手を離す。

 「さて、もう大丈夫だよね?」
 「……ええ、心配かけたわね」
 「困った時はお互い様さってね。 周りを見てみなよ」

 促されてクーネは周囲を見渡す。

 レイが明るい笑顔を向けている。
 リゼルが勝気な笑顔を向けている。
 いつの間にやらノームとの戦闘を終えてこちらの援護に来ていたのか、リンと共にサラマンダーの猛攻を弾きながらこちらを心配そうに見てニオが静かに笑う。
 ヒヨリが元気一杯な笑顔を浮かべている。
 ティルネルが優しく穏やかな笑顔を浮かべている。
 サラマンダーの攻撃をいなしながらリンが小さく笑っている。
 アマリがいつもの狂気の笑顔でディオ・モルティーギを振り回している。

 全員が全員、クーネが心配するまでもなく余裕を残していた。
 仲間のためにと余裕をなくしていたのはクーネだけ。 全員、他の仲間たちを信じているのだ。 ならば、指揮官たる自分がこんな調子でどうする。

 パンと頬を両手で叩いたクーネは周囲に響く美声を迸らせた。

 「さあ、反撃開始よ!」
 「おっけー!」
 「おうよ!」
 「は、はい!」
 「はーい!」
 「了解しました!」
 「ああ」
 「あっはぁ!」
 「了解だよ」

 全員の返答を聞いたクーネもまた、戦闘の最中だというのに笑った。
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