暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン -旋律の奏者- コラボとか短編とかそんな感じのノリで
幻影の旋律
指揮官の焦り
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 不完全な受け流しで捌ききれないダメージと衝撃がクーネを吹き飛ばす。
 数回地面を転がってからどうにか着地をすると、サラマンダーの背後から迫るレイの両手槍にライトエフェクトが灯るのが見えた。

 攻撃後の隙を突いた完璧な不意打ち。 背後からでタイミングも完璧だった不意打ちだが、しかし、それすらもサラマンダーは予測済みだったのか、軽い跳躍で躱してしまう。

 「レイっ!」

 敵に転倒を付加する両手槍ソードスキル《グランスイープ》の技後硬直に囚われるレイが蹴り飛ばされる様を見てクーネは叫んだ。
 それでも装備している各種防具の効果と、サラマンダーがスキルを使わなかったことが幸いしてダメージはそこまでではない。 吹き飛ばされた先でレイはクーネを安心させるように笑った。 とは言えサラマンダーの圧倒的な能力を前にいつものような屈託さはない。

 (これは、まずいわね……)

 フォラスから貰ったポーションを煽りながらクーネは内心でごちる。

 サラマンダーのステータスが異常に高い。
 ノームほど出鱈目ではないものの、殆どの通常攻撃を無傷で凌ぎきる圧倒的な硬さ。 アマリやニオに匹敵せんばかりに高い火力。 AGIがそこまで高くないことが唯一の救いだが、ダメージを殆ど与えられないこの状況は最悪に近い。
 ソードスキルを用いない通常攻撃でHPが削れないのであれば危険を覚悟でソードスキルを使えば良いわけだが、クーネはその性格からその作戦を提案できない。 かと言ってこのままここでサラマンダーと戦ってばかりもいられないのだ。

 何故ならクーネは早々にサラマンダーを倒して仲間たちの援護にいかなければならないのだから。

 早く倒さなければ。 安全に倒さなければ。 そうしなければ仲間が、仲間たちが……

 グルグルと回る思考のリフレインに曝されるクーネを嘲笑うように、サラマンダーが口を開いた。

 「軽い」

 ポツリと呟いた言の葉に篭められた感情は落胆、だろうか。

 「軽く、薄く、弱い。 もっと明確な殺意を向けねば私には届きはしない。 貴様は今、どこを見ているのだ?」

 細められた視線に篭められた憐れみの色をクーネは見逃さなかった。
 だが、だからと言って何ができるわけでもない。 非力な自分を呪い、それでもサラマンダーを倒す方策を思考する。

 「貴様ら程度であればケクロプス様の障害とはならぬだろうが、しかし貴様らはケクロプス様に敵意を向けた。 無為だとは言えここで摘んでしまおうか」

 言った瞬間、サラマンダーの口内がキラリと紅蓮に光る。

 (あれはっ??」

 それは少し前に打ち出された極太レーザーと見紛うブレス攻撃の予備動作。
 それを回避しきれなかったクーネを庇ったヒヨリのHPを危
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