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幻影の旋律
惨殺天使とロマン盾
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する》か《クエストの難易度を合流した人数に応じて底上げする》のどっちかだからさ。 合流不能も一方の排除もなかったから、モンスターの強化はあっても不思議じゃないよね?』
スラスラとまるで未来を予言しているかのような的確な言葉がまさに現実となっていた。
シルフはスピードと攻撃パターンが強化され、ウンディーネは爪の手数が倍増され、そしてノームは防御力がとてつもなく強化されている。
「どうしますか?」
「あはー、ぶっ殺せるまでぶっ殺し続けるだけですよー」
「……そう言うと思っていました。 で、でも、無茶はしないでくださいね?」
「あはー、あーはー、あっはははー」
自制を促すニオの言葉は緩やかに無視される。
そんな状況もまた予想通りなので小さなため息で済ませたニオの眼前でノームが笑った。 その笑みは矍鑠としたものではなく、粘ついた嫌な笑い方。
生理的な嫌悪を催す笑みを浮かべてノームは口を開く。
「その程度の攻撃しか出来んのか。 人間とはかくも非力な存在よの。 どれ、
幼子
(
おさなご
)
どもよ、ワシがポキリと折ってくれようか?」
「…………」
「いやしかし、ポキリとおるのであればあそこで奮戦しておる
女子
(
おなご
)
どもの方が美味そうじゃ」
「り、リーダーたちのところにはいかせません!」
ノームの言葉は無視をするにはニオの琴線に触れ過ぎていた。
壁職としての意地。 仲間を守るための意思。
どちらもがニオの美点であり、そして、今回に限ってはそれがミスに繋がる。
無視し続けていればその続きは口にされなかっただろう。 無視して攻撃に移っていればその続きを聞かずに済んだだろう。
しかし、無視できなかった。 故にニオは攻撃せずに反論してしまった。 今のアマリはニオの合図がなければ突撃しないよう、フォラスからの厳命を受けているため、やはり攻撃しなかった。
そしてノームは口にする。
自身の命を投げ捨てるような禁句を。
「ホッホッホ、その意気や良し。 しかし女子は大きくなくてはの。 ぬしらのような平坦な胸を持つ幼子どもでは興が乗らんわ」
ぶち、と。
ニオは何かが切れる音を聞いた。
直後、隣から強烈な殺気の迸流が生じ、酷く端的でザラザラに乾いた言葉が発せられる。
「ぶっ殺す」
「いやいやアマリさん! 『ですよー』が抜けていますよ??」
「ぶっ殺す。 ぶっ殺す。 殺す。 殺す。 殺、殺、殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺……」
「アマリさん! ほら、落ち着きましょう! いつものように『ぶっ殺すですよー』でいきましょう!」
「胸が平坦、貧乳、ツルペタ、洗濯板、いいよね肩凝らなそうで、服も選び放題でいいよね、下着探すの大変だわー……
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