暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン -旋律の奏者- コラボとか短編とかそんな感じのノリで
幻影の旋律
惨殺天使とロマン盾
[2/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
 むしろここまで我慢できていたことが予想外だった。

 「あっはぁ!」

 膨大な筋力値を使っての低空跳躍はさながら砲弾のような勢いでノームとの距離を詰め、ディオ・モルティーギの射程に捉えた瞬間、狂喜の笑声と共にそれを振り下ろす。

 爆音。 次いで暴力的な衝撃波と爆風。

 それらを肌で感じながらもニオはその爆心地に向かって跳ぶ。
 単純なステータスで言えばニオの筋力値はアマリのそれを優に超えている。 加えて装備品の効果で筋力値に40もの補正がかかっているため、理論上はアマリ以上の速さで跳べるはずなのだが、そもそもそんな無茶苦茶な移動法を使う機会に乏しいニオではそこまでうまく跳ぶことはできない。 それでも十分に速さでアマリの隣へと降り立ったニオは、噴煙の中から飛び出したハンマーの一撃を正面から受け止める。

 フロアボス戦に匹敵せんばかりの衝撃には肝を冷やすが、それでもここまでは予想の範囲内だ。 慌てず騒がず取り乱さず、冷静に衝撃をズラしてその場に踏みとどまると、今度はしっかりと地に足をつけてノームにタックルを敢行する。 ズッとノームが僅かに後退した感触を盾越しに感じつつ、下手な追撃を加えることなく後ろに跳んだ。

 「あーっはぁ??」

 と、ノームとニオとの間にできたほんの少しの隙間に着地したアマリが普段よりも更にギアの高い狂声で両手斧を横薙ぎに振るう。 余りの勢いに盾に接触するかと不安になったが、それは杞憂だったようだ。 きちんとコントロールされた狂刃は盾に接触する寸前で切り返され、ノームの小さな身体を弾き飛ばした。
 相手が相手なので、パーティープレイでは当然の連携に安心するニオだが、決して気を抜きはしない。

 何故なら、ノームのHPは未だに1割も削れていないのだから。

 アマリたちが遭遇したような奇形のゴーレムのような超高速での回避ではない。 アマリの初撃、続くニオのタックル、そこからのアマリの2連撃を全てその身で受けて尚、ほんの僅かしかHPが削れていないのだ。

 (フォラスさんの懸念が当たったようですね……)

 思い出すのは実際の年齢を教えたにも関わらず未だにちゃん付けをやめようとしない友人の言葉。

 『もしかしたら滅茶苦茶強くなってるかもしれないから、それはみんなも注意してね』

 ありとあらゆる可能性を並行に思考する天才、などと謳われる彼はひとつの可能性として言った。

 『《鍛治師の願い》と《反逆の狼煙》とが同時発生するクエストだとすれば、ここでの合流も製作者の意図の可能性があるなーって。 そうだとしたらなにかしらの対抗策を打っててもおかしくないでしょ? で、そう考えて真っ先に思いつくのは《そもそも合流できないようにする、あるいは合流した時点でなんらかの手段で一方を排除
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ