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ソードアート・オンライン -旋律の奏者- コラボとか短編とかそんな感じのノリで
幻影の旋律
それぞれの戦い
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に雪丸が深々と突き刺さった。

 投剣系のスキルを習得していない僕の一撃ではそこまで有効なダメージは与えられない。 そうでなくとも雪丸の数値的な火力は鋭さを除けば最底辺なのだ。 たとえスキルによるアシストがあろうと大したダメージにはならないだろう。
 けれど、僕の攻撃は何もそれだけではない。
 スキルを使わない素の攻撃であるが故に技後硬直はなく、僕は瞬時に腰に差した二振りの相棒を抜き放ちながら疾走して飛び上がる。 3度空を蹴る頃にはシルフの直上に辿り着いた僕の視界には、未だ雪丸の投擲によるノックバックから脱せていないシルフがいた。

 「やれやれ……」

 短いため息と同時に左手のマレスペーロを一閃。

 「結局、本気は見れなかったね」

 空中に浮いたまま身体を捻って右手のエスペーラスで更に二閃。

 「でも、あの世で言い訳ができるからラッキーだったかな?」

 殺意と恥辱と悔恨とで歪むシルフの顔面へとマレスペーロを突き立てる。

 雪丸とは違って数値的火力が恐ろしく高いエスペーラスとマレスペーロによる連撃は、同様にシステムアシストがない状況でもシルフのHPの5割を喰らう。
 そして弾けるライトエフェクトは、先ほどまで防御に徹していたリンさんによるソードスキルの合図だ。

 残酷で無慈悲な一撃がシルフの腹部を容赦なく穿ち、そのまま頭上に高々と掲げられる。 その頃には既にマレスペーロを引き抜いて次の獲物(ウンディーネ)に視線を移し、突貫を仕掛け始めた僕の耳に《ドン》と言うシルフを地面に叩きつけただろう音と、《バシャッ》と言うシルフがポリゴン片へと姿を変えた時の音が届く。

 普段の立ち回りで言えば時間稼ぎがメインで止めに向かないリンさんだけど、だからと言って火力が低いなんてことはない。 殆ど即興だった連携に対応して見せた適応力と判断力、そしてこちらの意図を完全に理解してくれる読解力まで有していて、おまけに仕事はきちんとこなしてくれるなんて本当に有能な人だ。 是非とも一家に一台は欲しいとか、とてつもなくくだらないことを考えながら、僕はウンディーネとの距離を更に詰める。

 どうやらウンディーネは他のモンスターとは違う法則で敵を選定しているらしく、今まで確実にリンさんに向かっていた敵意が僕へと注がれ、同時に鋭い爪が殺到してきた。 大方、最も近くにいる敵に対して優先的に攻撃を仕掛けるんだろうと結論を出しつつ、僕は最小限の動作だけで爪の乱撃を悉く回避する。
 リンさんとの戦闘時にそれらの攻撃パターンは既に見終わっている。 解析を済ませた攻撃なら目を瞑っていようとも回避が可能なのだ。
 これでリンさんがこちらに合流してくれればウンディーネを殺すのも時間の問題だろう。

 さてはて、クーネさんたちは果たして大丈
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