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幻影の旋律
開戦の狼煙
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ェルだよと突っ込みたいところだけど、さすがにこの空気でそんなことはできないので小さく息を吐いてどうでもいい思考を打ち切る。
「さて、作戦は事前の打ち合わせ通りでいいよね?」
「ええ。 フォラス君とリン君の負担が大きくなるけど、大丈夫よね?」
「もちろんだよ。 そんなに心配ならさっさと終わらせてこっちの加勢をよろしく」
「了解よ。 じゃあ、リン君も頑張って」
「そっちもな」
参謀ポジションにいる僕たち3人の会話を聞いて、まさかそれを待っていたわけではないだろうけど、四天王が一斉に動き出した。
リンさんから事前に聞いていた限りでは、四天王の実力は今まで戦った中ボスクラスのモンスターと同等。 とは言え4体同時に戦うとなると骨が折れそうなので、その対策は既に打ち合わせ済みだ。
「ニオはアマリちゃんと一緒にノームを叩いて! リゼルとレイ、それからヒヨリちゃんとティルネルさんはサラマンダーを早急に片付けるわよ!」
「あはー、ニオちんとペアは初めてですねー」
「えっと、よろしくお願いします」
「フォラス、無茶するんじゃないよ」
「リゼちゃん、フォラスに無茶するなって言っても無駄だと思うよ」
「じゃあ燐ちゃん、いってくるね!」
「すぐに終わらせて援護しますね」
それぞれがそれぞれの言葉を残して割り振られた敵に向かっていく。 残された僕とリンさんは互いに顔を見合わせて苦笑した。
「無茶するな、だそうだ」
「あはは、それこそ無茶な要求だと思うけどね」
「戦闘狂は相変わらずか……」
「そりゃ、キリトの弟ですから、っと。 じゃあ、いこっか?」
「ああ、あいつらが終わるまで、なんとか保たせるぞ」
言って僕たちも事前に定めた標的へと走り出す。
9人での連携は結局のところ完璧にはならなかった。 僕とアマリは2人での戦闘が基本だし、パーティープレイに慣れていないのがその最たる原因だろう。
クーネさんたちとの連携だけなら何度も経験があるのでできないこともないんだけど、リンさんたちが入るとどうしても上手くいかないのだ。 と言っても、それは僕たちだけではなく、リンさんたちも、あるいはクーネさんたちも同様だろう。
そもそも大人数での戦闘をする機会なんてフロアボス戦を除けばそうはない。 まして僕たちはそれぞれがアクの強い戦闘スタイルなので、その連携は至難と言っていい。
ならばどうするのか?
答えは簡単で明瞭だった。
9人での連携がうまくいかないのなら、9人で連携しなければいいだけのこと。
幸い敵は4体もいるので、こちらもそれに合わせて戦力を分断すればいいのだ。
四天王の中で最高火力を有するノームには、堅牢な壁であり高火力の一撃を持つニオちゃんと徹
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