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幻影の旋律
開戦の狼煙
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言われたくないだろうね」

 嘲るように言った龍人に嘲笑を返して僕は続ける。
 リンさんたちのクエストは既に破棄されているので、このクエストを進行するのは僕の役目なのだ。

 「大人しく渡さないのなら力尽くで奪い返すけど、どうする?」
 「ふむ、ちなみに大人しく渡せばどうなるのかのう?」
 「そんなのもちろん決まってるよ。 僕の友達に手を出したんだ。 たとえ大人しく従ってもぶっ殺す」
 「かっ、かかっ、人間の分際で吠えよるのう。 そこまで吠えられると気持ちがいいわい」
 「で、どうするのかな?」
 「渡すわけがなかろう。 あれは既に儂の物じゃ」

 予想通りの答えに僕は言葉を返すよりも先に身体を動かした。 具体的に言うなら右腕を。

 徹底的に鍛え上げた敏捷値で腕を煌めかせ、ポーチから引き抜いたピックを龍人に向かって投擲する。 もちろん僕特製の麻痺毒を染み込ませたピックだけど、それが龍人の身を穿つことはなかった。

 「へえ……」

 思わず溢れた声は、ピックを全て叩き落とした龍人の配下に対する賞賛だ。
 それを感じたのかどうかはわからないけど、僕と龍人との間に割って入り、ピックを全て叩き落とした張本人がポツリと言った。

 「ケクロプス様、ここは我々が」
 「うむ、儂は魔剣の封印の解除を始める。 完了するまで奴らを近づけるな」
 「御意」

 そして闖入者は龍人……今回のクエストのボスであろうケクロプスに一礼すると、纏っていた野暮ったいローブを脱ぎ捨てた。 と同時に敵が姿を現わす。

 僕のピック叩き落としてくれた1人目は女性。
 赤い肌と小さな鱗を無数に持っていて、手には身の丈に迫るほどに長く、それでいて細い剣が握られている。 頭上に表示されている名前は《Salamandra(サラマンダー)》。 言わずと知れた火の精霊だ。

 次いでサラマンダーの隣に立つのは、青い肌に薄布を纏っただけの女性。
 武器の類は一切持っていない彼女の名は《Undine(ウンディーネ)》。 リンさんからの情報では爪を伸ばして高速で振るってくるスピード型の敵らしい。

 更にその隣に立っているのは、ボロボロのローブを身に纏った小柄な老人。
 その小さな身体に不釣り合いな巨大なハンマーを手にこちらをジロリと睨んでいる。 名前は《Gnome(ノーム)》。

 最後は宙に浮いている小さな少年。
 小振りのダガーを左右の手に持っている姿は僕の双剣に近い。 背に生えた羽で宙を舞い、両手のダガーで敵を切り裂くその戦闘スタイルは、リンさん曰く『お前に似ている』だそうだ。 つまりはスピード特化型で手数重視らしい。

 この4人が事前にリンさんからの聞いていた四天王だろう。
 四大精霊を従えるとか、どこのマクスウ
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