暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン -旋律の奏者- コラボとか短編とかそんな感じのノリで
幻影の旋律
お人好しとの談笑
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結構ちょろい。
 先ほど付け加えたリンさんに対する《実はお人好し》の項目はどうやら間違いないようだ。

 「俺が……いや、俺たちが受けているクエストは《反逆の狼煙》。 とある城の宝物庫に侵入して財宝を盗み出すことが目的だ」
 「なるほどね。 で、その財宝はリンさんたちが持ってるの?」
 「いや、既にクエストの依頼主に引き渡してある。 渡した直後に『お前たちは用済みだ』と言われて強制転移させられて今に至るわけだ」
 「へえ……」
 「ちなみに、クエストログには【仲間たちと合流して洞窟を脱出せよ】と書かれているから、恐らくここを出ると次のシナリオに進むことになるんだろうな」

 やれやれと肩を竦めてみせるリンさんだけど、話し振りからどうやら脱出するつもりはないらしい。 自分たちのクエストは既に諦めているのだろう。
 これがリンさんたちでなければ、破棄すると宣言しておいて土壇場で裏切ると言う可能性を憂慮するところではあるけど、この人たちに限ってそれはないと思う。

 「うーん。 話しを聞いてると、僕たちのクエストはリンさんたちのクエストと対応してる感じだけど、クエストってこんな風に被ったりするものなの?」
 「かなり珍しい部類ではあるが、絶対に被らないとは言えないな。 これも恐らくだが、こちらのクエストの進み具合に応じてそちらのクエストが解放されたんだろう。 いや、順番としては《龍皇の遺産》がクリアされてから《反逆の狼煙》が解放されて、次に《鍛治師の願い》という順番か」

 へえ、と返しながら、僕はそれから幾つかの質問を重ねた。 時折嫌そうな顔をしたり鋭い目をこちらに向けたりするリンさんだけど、なんだかんだと質問には全部答えてくれた。






 さて、今回のクエストを纏めよう。

 《反逆の狼煙》。
 リンさんたちがここの内部構造を知っていたり、途中で現れる中ボスクラスのモンスターを知っていたりしたのは、このクエストの発生地点がここの最奥部だからだそうだ。
 クエストの依頼主は《ケクロプス》。 龍皇(つまりは《スヴァローグ》)との政治的な抗争に負けて龍人族の国を追われた男らしい。 ギリシャ神話の神様がスラヴ神話の神様に負けると言うのも中々面白い話しではあるけど、それについては置いておこう。
 国を追われたケクロプスはこのダンジョンに逃げ込み、虎視眈々と反撃の機会を窺っていたらしく、ダンジョン内にいるモンスターはケクロプスが各地から集めた戦力なのだとか。 ドラゴンタイプのモンスターしかいないはずの70層にそれ以外のモンスターがいたのはそれが原因らしい。
 反逆の機会を窺っていたケクロプスだけど、肝心の龍皇が僕たちプレイヤーに討たれ、その機会は永遠に奪われてしまった。 ならば龍人族の国を襲ってその埋め合わせを
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