暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン -旋律の奏者- コラボとか短編とかそんな感じのノリで
幻影の旋律
平和な語らい
[4/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
できるのだから驚かされる。

 そして、そんなリゼルさんの手には、言葉通りにスク水(ご丁寧に平仮名で《ふぉらす》と刺繍がされている)とミニスカメイド服が。
 僕は男の子だと言うツッコミが意味をなさないことは既に学んでいる。 今回の件に関して言えば僕に非があるので、我ながら諦めるのは早かった。

 「……じゃあ、ミニスカメイドで」

 外見だけで言えば女の子だと自覚している僕だけど、それでも付いている身だ。 スク水は色々とまずいだろう。

 観念して差し出した手に渡されたそれは驚くほど軽く、しかもウインドウを開いて確認すると各種パラメーターが中々高い。 それだけでなく、《隠蔽》と《軽業》にボーナスが付く特殊効果まである。 あいにく僕は《軽業》を習得していないけど、それでもこのまま戦闘が可能なほど高性能だ。 ここまでくると呆れを通り越して感心してしまう。

 「リゼルさん、これって何を素材にしたの?」
 「白地の部分は《ラグー・ラビットの毛》だな。 黒地の部分は《ミッドナイト・ボアの毛》と《黒紬の糸》。 細かい装飾に使ってる素材も結構レア物だ」
 「……《戦乙女》ってそんなに財政が潤沢なの?」
 「いや、そんなこたぁねえよ。 これはアタイが自前で揃えた素材さ。 いつかあんたに着せようと思ってね」

 性能と両立させるのが大変だったんだよ? と笑うリゼルさんだけど、その情熱をもう少し別の場所に向けてほしいものだ。
 とは言え、了承した身であり性能も十分以上なので文句は言わない。

 SAOでの着替えは装備フィギュアを操作すれば数秒で終わるけど、その数秒間は下着姿になってしまうので、さすがにこのまま着替えるわけにはいかない。 装備フィギュアを介さないで着替えることも可能ではあるものの、それをすると服飾類を装備していないと言う判定になってしまい、耐久値が徐々に減っていってしまう。 借り物であることを考慮に入れて、耐久値全損で壊すなんて以ての外だ。 まして、S級の素材をふんだんに使用した超高級品なのだから、弁償もできない。
 となると装備フィギュアを介して着替えるしかないわけだけど、さて、どうしたものか?

 と、僕が思案しているのを察してか、ニオちゃんがストレージから数枚の盾を取り出してくれた。 これをパーテーションにして、その中で着替えたらどうか、と言うことらしい。

 「ありがとね、ニオちゃん」
 「いえ」

 短いやり取りで簡易更衣室に入ると、僕は手早く装備を更新する。
 黒と藍色の中間にある落ち着いた色合いのミニスカート。 上衣はエプロン状の肩紐が付いていて、それがウエストの辺りでリボン結びに縛られている。 全体に散りばめられたフリルがいかにもメイド服然としていて思わず苦笑いを浮かべてしまうけど、こう言う
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ