暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン -旋律の奏者- コラボとか短編とかそんな感じのノリで
幻影の旋律
平和な語らい
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相手はニオちゃんだけではなくクーネさんもなんだけど、そこに関して怒っていないのは苦笑を禁じ得ない。 もっとも、今の状況が既に苦笑ものではあるけど。
 ちなみに当のニオちゃんはリゼルさんに抱かれながら苦笑しているし、事情を知らないリンさんはどうするべきかわからないのか何の反応も示さない。

 「あれはクーネさんにいきなり斬りかかられたから咄嗟に反撃しただけって言いますか」
 「そんなこと知るか! ニオを虐めた報い、あんたの身体で贖ってもらうよ!」
 「いやいや、その言い方はセクハラの香りがするって」
 「リーダーを蹴ったりもしていました」
 「ちょっ、ニオちゃん、それは言わないお約そーー「フォラス!」

 黙った。 と言うか黙らされた。
 戦闘であれば負ける気はないけど、こう言う状況だとリゼルさんには絶対に勝てない。 だからこそさっきの情報交換で何も言わなかったのに、どうやらニオちゃんが告げ口したらしい。 まあ、こうなるだろうとは思っていたけど。

 「なあフォラス。 スク水とミニスカメイド。 好きな方を選びなよ」
 「このままって言う選択肢はないのかな?」
 「あると思うか?」
 「ないですよねー……」

 はあ、とため息を吐きつつ首を振る。

 リゼルさんは何を隠そう小さい女の子が好きなのだ。
 これだけを聞くとそこはかとなく犯罪臭が漂うけど、実際はそんなに甘いものではない。 僕が昔ギルドマスターを務めていた《白猫音楽団》のメンバーは僕を除いて全員が女の子だったけど、僕を含めた全員がリゼルさんの毒牙にかかっている。

 彼女の趣味は、小さい女の子を着せ替え人形にすること。
 ニオちゃんがお気に入りではあるけど、美少女を前にすれば見境なしにコスプレを要求する危険人物だ。 彼女の奇行は枚挙に暇がない。
 中層ゾーンの有名プレイヤー、《竜使い》と呼ばれる女の子を追い掛け回していたのは有名な話しだ。 しかも、自分のギルドのメンバーと共にだったと言うのだから、その女の子も災難だっただろう。 乙女の貞操を賭けた鬼ごっこが果たしてどう言う結末を迎えたのかは知らないけど、その《竜使い》さんが無事であることを祈るばかりだ。 トラウマが残っていなければいいけど……

 さて、そんなリゼルさんは僕と同様に《裁縫》スキルを完全習得している。 彼女が作る布や革の防具類はかなり高性能だけど、そのスキルの真価は別のところで発揮されている。
 コスプレ衣装の作成。
 女の子を見ただけで大体のスリーサイズがわかると言う恐ろしい特技を活かして作られるそれらは、その筋のマニアには絶大な人気を誇り、それと同時にリゼルさん本人の欲求を満たしている。 メイドやナースと言った定番衣装は当たり前。 果ては民族衣装やアニメキャラのコスプレ衣装まで用意
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