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幻影の旋律
再会と抱擁
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流を目指しているはずだし、お兄さんに関しても伝え聞く人物像からそうするだろうと予想できる。 少なくとも仲間を置いてさっさと先に進むような薄情者ではないだろう。
ここで問題になってくるのはアマリだ。
アマリも僕と合流することを望んでいるはずだけど、果たして次層に続く階段を前にして待っていられるだろうか? と言うか、もっと切実かつ危険な問題が頭をよぎる。
あのお兄さんをぶっ殺してはいないだろうか?
僕が隣にいないアマリはリミッターが完全に外れている。 僅かな敵意に対してでさえ、全く躊躇いなく反撃してしまう危険な状態だ。 リゼルさんやレイさんと合流できていれば少しはマシだろうけど、もしもお兄さん単体でアマリに遭遇していたら、最悪、お兄さんを獲物認定しかねない。 そして、獲物の末路は死だ。
「じゃあ、すぐに合流しなーーーー」
瞬間、世界が震えた。
洞窟全体が振動しているかと思えるほどの衝撃と、遠くから聞こえる爆発のような音。
「い、今のは何かしら?」
「アマリ!」
「フォラス君??」
その音を聞いて自制は完全に振り切れた。
暫定的にパーティーを組んでいる4人を置き去りに、出せる限りの最高速度で走り出す。 短剣以外の武器を何も装備していない僕の全力に4人がついてこられるわけもないだろうけど、そんなことを気にする余裕は僕にはなかった。
今の衝撃と爆音はアマリの《爆裂》だ。
それを使っていると言うことは、きっとアマリも戦闘中なのだろう。 アマリの腕を信頼していないわけではないけど、それでもアマリは筋力値を徹底的に鍛え上げているパワー型。 もしも現在進行形で戦っているであろう敵がスピード特化のボスクラスモンスターだった場合、苦戦する可能性もある。
「アマリ……」
爆音が遠すぎて正確な位置は特定できない。 それでもおおよその方角はわかるし、ここが環状構造ならこのまま走り続ければたどり着けるはずだ。
「お願いだから無事でいてよ……」
掠れ声で祈りながら、道中現れた敵を一蹴(体術スキルを使った、文字通りの一蹴だ)して、僕はひたすらに走り続けた。
数秒なのか数分なのか、はたまた数十分なのかの感覚も希薄なまま走り続けた先で、視界が唐突に開ける。 先ほどまでいたボス部屋と同じ造りの広い空間。 そしてそこにアマリはいた。
「アマリ!」
姿を視認するや否や叫んだ僕を、アマリの双眸が捉える。 いつも通りの緩い笑顔が更に緩く華やいで、その小さな唇が動いた。
「フォラスくん?」
コテンと傾げられた首が戻りきる前に、僕はアマリを抱きしめていた。
それが幻ではないことを確かめるように。 アマリの熱を感じるように。 初めはそっと、次第に強く抱き
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