暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン -旋律の奏者- コラボとか短編とかそんな感じのノリで
幻影の旋律
全てを破壊し尽くす暴力
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その変化に呆気にとられるヒヨリさんとクーネさんと僕。

 そう。 ジルの背に左右一対の翼が生えたのだ。
 10メートルを超える巨躯。 鋭利な爪を備えた野太い6本の腕。 背に生えた大きな翼。

 最早、狼男とは言えない異形に苦笑いを零しながら、僕の脳内にひとつの単語が浮かぶ。
 《キメラ》
 それはいわゆる合成獣。 様々な獣を掛け合わせた空想上の魔獣を前に、僕は再び突撃を開始しようとしてーー

 「ーーーーっ!」

 ーー背を走った悪寒を頼りに急制動。
 その瞬間にジルは翼を羽ばたかせて空を舞った。

 飛翔。
 僕が疾空スキルを以ってして行う跳躍とは完全に別種の行動に警戒していると、僕たちを見下ろすジルの口内に白い閃光が迸る。 あれが何かなんて、この場にいる誰もが瞬時に理解しただろう。

 ブレス攻撃の予備動作。 しかも、あの色は雷ブレスのそれだ。
 そうと認識してからそれぞれが取る行動は早かった。

 ニオちゃんが大盾を上空に向けて掲げ、その下にクーネさんが飛び込む。 ヒヨリさんは有り余る敏捷値にものを言わせて部屋の隅まで後退。 ティルネルさんは既に後退していた。 そして僕は……

 「フォラス君??」「フォラスさん??」

 驚愕に彩られたクーネさんとニオちゃんの声を地に置き去りにして、今までよりも更に速く空を駆ける。
 跳躍に跳躍を重ね、グングンとジルに接近する僕だけど、何も妨害が間に合うとは思っていない。 ジルがブレスを吐き出す直前、ヒヨリさんたちがいる方向とは逆方向に大きく跳んだ。

 初見のブレス攻撃は攻撃範囲が予測できない。 故に、部屋の隅に行ったからと言って安全とは限らないのだ。
 ニオちゃんの盾であれば大体の攻撃は防げるだろうし、ジルのブレスだって防げるだろう。 けど、軽装のヒヨリさんとティルネルさんが攻撃範囲に入っていた場合、彼女たちにそれを防ぐ手段はない。 僕特性の耐毒ポーションを飲んでいるので一撃で麻痺するとは思わないけど、そうなれば大ダメージを被る可能性はある。 だからこそ、そのブレス攻撃の方向をなんとか逸らそうとしたのだ。

 僕に照準を合わせたブレス攻撃が発動する。
 それと同時に何もない空中ではなく、壁を足場にして静止。 行動を始めた時点で回避は諦めているので、僕は薙刀を回転させて武器防御スキルの《スピニングシールド》を発動させた。

 視界が白の閃光に塗りつぶされるよりもギリギリ早く完成した光の円盾とブレスが衝突する。 壁を足場に、と言うより壁にめり込むような勢いで固定されている僕のHPは緩やかに減少するけどそれを無視。

 思いの外早く終わったブレス攻撃にホッと一息吐くと、楽々な体勢で地面に着地した。 この時点で僕のHPは6割を切っている。

 「僕
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