暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン -旋律の奏者- コラボとか短編とかそんな感じのノリで
幻影の旋律
全てを破壊し尽くす暴力
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ルファを仕留めるまでの間、ひたすらジルの猛攻を回避し続けた僕に苦笑いを零してから、クーネさんが高らかに指示を出した。

 「ジルの攻撃パターンは腕による振り下ろしと横薙ぎがメインよ! 爪に警戒しつつ接近戦に持ち込めば倒せるわ! ニオはいつも通り前衛! ティルネルさんは後方からバックアップ! フォラス君は私と一緒に攻撃に専念! ヒヨリちゃんは隙があり次第、ソードスキルをお願い!」
 「は、はい!」
 「承知しました!」
 「うんっ」

 指示の後に続いた返事が誰のものかは言うまでもないだろう。
 アルファを殺した感慨に耽る間もなく、4人はジルを標的に躍り出る。

 今もまだ僕をターゲットにしているジルが両手を組んで野太い腕を振り下ろす。 先程まで戦っていたアルファとは比べものにならないほど重いはずの攻撃を、しかし、僕とジルとの間に割り込んできたニオちゃんが盾を翳して受け止めた。 この分だと、アマリの攻撃すら防いでしまいそうだ。 全く以って恐ろしい。

 ニオちゃんがジルの攻撃を防いでくれている隙に後退して、僕はクーネさんと合流した。

 「アルファとの戦闘中にジルの攻撃パターンを解析するなんて、ずいぶん余裕だったんだね」
 「ジルの攻撃を避けながら観戦していたフォラス君にだけは言われたくないわ」
 「バレてた?」
 「当然です。 あ、ニオ、頑張ってー」
 「は、話してないでこっちに来てくださいよぉ……」

 ボス戦の最中だと言うのに緊張感のない会話。
 確かに2体同時に現れた時は肝を冷やしたけど、そうは言っても所詮は中ボスクラス。 侮るつもりも油断するつもりもないけど、このくらいなら変に緊張する理由にはならない。 肩の力を抜いて、あくまでいつも通りに。

 「ねえ、クーネさん。 ()()、やってもいい?」
 「……フォラス君は変なところで子供よね」
 「ん、そうかな?」
 「だって、新しい玩具を使いたくてウズウズしてるって感じよ。 今のフォラス君は」
 「あはは、そっちもバレてたんだ」
 「まったくもう……。 いいわよ。 好きにしていいわ」
 「さすがはクーネさん。 じゃあ、いこっか? そろそろニオちゃんが泣いちゃいそうだし」
 「そうね」

 同時にニコリと笑って、僕とクーネさんは並んで駆け出した。

 敏捷値の都合上、僕が先行してジルに接敵する。

 前線で攻撃を防ぎ続けてくれていたニオちゃんに内心で詫びを入れつつ、その背を飛び越えるようにして跳躍。 疾空スキルを使ってジルの頭上すらも飛び越えて背後に回ってから、空中にいながらソードスキルを発動させる。

 薙刀ソードスキル『春風』

 単発でありながらノックバック効果を欠片も持たない異色のソードスキルだけど、その地
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