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ソードアート・オンライン -旋律の奏者- コラボとか短編とかそんな感じのノリで
幻影の旋律
全てを破壊し尽くす暴力
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び潜り、抜けざまに右脚を切り裂き、そのままジルに背を向けて走る。 そうなれば当然ジルは僕を追ってくるし、矢をその身に受けたアルファは僕からティルネルさんにターゲットを移すことになる。
複数体のボス戦では基本中の基本。 敵戦力の分断だ。
防御の薄いアルファを先に叩き、それから全員でジルを叩く。 それまで僕はひたすら攻撃を回避しながらも向こうにターゲットが移らないようジルに張り付きつづけないといけないけど、グリームアイズと戦った時を思えば楽な仕事だ。 軍の一団とは違い、向こうのメンバーは最前線に身を置く猛者。 足手纏いどころか頼れる戦力であり、アルファを仕留めるまでにそう時間はかからないだろう。
自ら買って出た囮の仕事を全うしつつ、僕は4人によるアルファの戦闘に目を向ける。
ティルネルさんを狙った突進はハイパー幼女のニオちゃんが止める。 7メートルほどの巨体が突っ込んでくれば恐ろしい衝撃になるだろうに、ニオちゃんの身体は僅かに後退しただけでそれ以上揺らぐことはない。
この位置からだとよく見えないけど、涙目になっているのはきっと気のせいだろう、うん。
突進を完全に防がれたことでスタンに陥ったアルファの左右から白と白銀の天使が肉薄し、そして同時にソードスキルを発動させる。 《リニアー》と《ヴォーパルストライク》による挟撃。
絶対にこの身で受けたくないそれ(冗談ではなく死んでしまう)は、アルファのHPバーを殆ど丸々1本分削り取った。
天を仰いで悲鳴の咆哮を上げたアルファの剥き出しになった喉元を、さっきまでのポンコツ……失礼、穏やかさからは想像もつかないほど容赦のないティルネルさんの矢が射抜く。
彼女は元とは言え軍属。 たとえ薬師ではあっても、戦闘に情けを持ち込むほど甘くはないだろう。 それに何より、『血が流れるなら殺せる』なんて言う苛烈極まるスタンスだったらしい(これはキリトから聞いた。 ちなみに情報の出所はティルネルさんのお姉さん)ので、そこに違和感はない。
「ん、っと……」
頭上を掠めたジルの攻撃に首を竦めるけど、まあ、この程度なら問題にはならない。 仕返しに跳び上がって更に疾空を使い、高い位置にあるジルの顔面を殴ってから僕は笑う。
いやはや、さすがにあの4人は強い。
《ロマン盾》が完全に攻撃を防ぎ、《騎士姫》と《流星》が手数と火力で穿ち、《黒の射手》が正確に射抜く。
この連携を前に高々ボス1体、しかも扱いは中ボスだろう狼さんに何ができようか。 折角ジルに呼ばれて来てくれたところで悪いけど、相手が悪かったと諦めてもらうしかない。
それから数分後に爆散したアルファに少しだけ同情して、それからクーネさんとアイコンタクトを取る。
ア
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