暁 〜小説投稿サイト〜
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幻影の旋律
久方ぶりのパーティープレイ
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、穏やかながら自信を漲らせるティルネルさん。
そんな三者三様の返事を得たクーネさんが今度は真っ直ぐ僕を見つめる。 どうやら僕が作戦に従わないか心配しているようだ。 失礼な。
さすがの僕でも一度了解した作戦を反故にするほど落ちぶれてはいない。 ましてここには頼れる相棒であり、困った相棒でもあるアマリがいないのだ。 そんな状況で無茶をする理由は、今のところひとつもない。
「大丈夫だよ。 いくら僕でーーーー」
了解の返事をしようとして、それは途中でかき消された。
何が起こったのか?
答えは単純。
かき消されたのだ。 噴煙に包まれたジルの遠吠えによって。
狼が遠吠えする理由は、主にみっつあると言われている。
狩りをする前の合図。 縄張りの主張。 そして、
仲
(
・
)
間
(
・
)
と
(
・
)
の
(
・
)
連
(
・
)
絡
(
・
)
……
「ねえ、フォラス君」
「うん?」
「私、すっごく嫌な予感がするんだけど、これって気のせいかしら?」
「んー、多分、気のせいじゃないと思うよ。 だってその嫌な予感、僕もしてるから」
直後、少し離れた場所から、別の個体が上げたと思しき遠吠えが僕たちの耳に届く。
クーネさんたちに明かした可能性はふたつだけ。
ジルのHP減少を出現トリガーにしたボスモンスターの出現と、同じ条件で起こるジルの変身。
けれど僕が考えていた可能性はもうひとつだけあったのだ。 下手に不安を煽って萎縮するのを防ぐために言わなかった、確証も根拠もない最悪の可能性。
「新たなボスモンスターの出現とジルの変身……」
ポツリと呟いた声に反応したかのようなタイミングで、ジルを包んでいた噴煙が晴れる。 そして、それと同時に現れる巨大な狼。
ジル・ガルニエ・ザ・ルー・ガルー・ロード
(
Gilles Garnie The Loup Garou Lord
)
ウルフ・ザ・アルファ
(
Wolf The Alpha
)
《狼男の王、ジル・ガルニエ》と《最上位の狼》は、固まった僕らを揃って睥睨し、同時に吼えた。
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