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幻影の旋律
久方ぶりのパーティープレイ
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あ、いってくるよ」
「無理はしないでね?」
「どうかご武運を」
「危なくなったらおねーさんを頼っていいんだよ?」
ニオちゃん、クーネさん、ティルネルさん、ヒヨリさんの激励を背に、僕は細い通路から飛び出した。
見れば見るほどボス部屋にしか見えないその空間に入った瞬間、それまで沈黙を守っていた狼男《ジル・ガルニエ》は敏感に反応してこちらに迫ってくる。
攻略組トップクラスに引けを取らない敏捷値を有しているらしいジルは凄まじい勢いで駆けるけど、それでもそれは所詮トップクラス。 攻略組内でも一二を争う敏捷値を持つ僕と単純な足比べで勝てるわけがない。 何より今の僕は何の武装もしていないので、自身が出せる最高速度を遺憾なく発揮できる状態なのだ。
ちなみに僕が着用していた黒の外套は既にストレージにしまってある。
『似合ってないわよ』(クーネさん)
『なんだかダサいよ』(ヒヨリさん)
『怪しいです……』(ニオちゃん)
『素敵だと思いますよ』(ティルネルさん。 ただし目が泳いでいた)
と、あれに関しては惨憺たる酷評を頂いたのだ。 さすがに着続ける気にはなれない。
て言うか、ティルネルさんの優しさが地味にキツイ。 そんなに気を遣わなくても……
閑話休題。
しかし、僕と雪丸とジルとの位置関係上、このままだと接敵は雪丸を回収する前になりそうだ。
虎の子のピックは残り少ないし、走っている状況で標的に命中させるほど、僕のプレイヤースキルは高くない。 こういう時は素直に投剣スキルが羨ましいけど、今は泣き言なんて言えないし、何よりそのための頼れるバックアップだ。
ジルが雪丸を跨いでこちらに迫るその瞬間、一直線に走る僕の僅か数ミリ横を通り抜ける風切り音。
薄緑色のライトエフェクトを纏った矢が、ジルの脚を狙い違わずに貫いた。
誰の援護かなんて問うまでもない。 ティルネルさんだ。
矢の強烈な一撃により揺らいだジルを正面に捉え、僕は疾走の勢いそのままに跳躍する。
SAOでの跳躍は筋力値と装備重量によって左右されるため、僕ではそこまでの飛距離を出すことはできない。 けど、ここで活きてくるのが鍛えに鍛え上げた疾走スキルのMod、《疾空》。
空中に於ける姿勢制御と空間把握能力、バランス感覚さえあれば自由に空を跳ね回れる疾空によって、僕は何もない宙空で方向転換すると、ジルを飛び越えてその背後に着地。
足元には狙い違わず雪丸がーー
「第1関門……」
ーーあると知覚した瞬間には既に拾い上げ、通路から飛び出して攻撃を仕掛けたティルネルさんに狙いを定めていたジルの背を斬り裂いた。
「クリアー」
直後に煌めく3連撃はソードスキルを使わない素の攻撃。
それでも注意を
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