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ソードアート・オンライン -旋律の奏者- コラボとか短編とかそんな感じのノリで
幻影の旋律
狂気の一端
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、いっそ面白いくらい狂っている。
触ろうとした。
たったそれだけでソレは人を殺す理由になるのだ。
歯止めの効かない狂気は、しかし次の瞬間に霧散する。
「そいつはフォラスのダチだ。 だからやめてくれ」
「ふえ?」
コテンと、もう一度傾けた顔にありありと驚愕が浮かぶ。
それからの行動は早かった。
まずはソレが《でぃーちゃん》と呼んだ両手斧を投げ捨て、壁に突き刺していた右足を抜く。 次いで滑稽なくらいあわあわと取り乱し始めた。
「わわ、フォラスくんのお友達とは露知らず、とんだご無礼を働いちゃったです! 私としたことが何てことをしてるですか?? わ、あわわ、真っ黒兄さん、お怪我はないですか??」
「…………」
「ひぃ、返事がないです! まさか死んじゃったですか??」
「馬鹿、落ち着け。 大丈夫。 ちゃんと生きてるさ。 なあ、リン」
「……あ、ああ。 生きてる」
「はわー、良かったですよー」
事態に全くついていけていないリンだったが、次にソレが発した一言で合点がいった。
「フォラスくんの友達をぶっ殺したらフォラスくんが悲しんでしまうです……。 それだけは嫌ですよー」
そう。 結局のところ、ソレが気にしているのは、ソレの伴侶であるフォラスのことだけなのだ。
今の一件で自分がオレンジ化したことも、人を殺そうとしていたこともまるで気にしていない。 ただフォラスが悲しむから。 それだけしかソレの意識にはないのだ。
(なんなんだ、コレは)
もう何度目になるかもわからない疑問がリンの頭を巡るが、けれどそんなことを口にすることができず、とりあえずの危機が去ったことにホッと胸を撫で下ろした。
「ううー、私はこれで失礼するですよー」
突然、ソレはそう言うと、ふらりふらりと安全地帯から出て行った。
見ればリゼルは頭を掻きながら、レイはリンの隣に膝を突きながら、どちらもまるで止めようとしない。
「ごめんね、リン。 ちゃんと説明しなくちゃだったのに、ボクもリゼちゃんも説明してなかったよ」
「……どう言うことだ?」
「マリちゃんは壊れてるんだよ。 だから攻撃なんて以ての外だし、触ろうとすることだって攻撃って見做しちゃうんだ。 フォラスの友達って言っておけば大丈夫なんだけど、ちょっと言うのが遅すぎたね。 ごめん」
そんな価値観に恐怖を抱くリンだが、それを非難する気にはなれなかった。
もちろん怒りはある。 許すつもりはまるでないが、アレを非難するわけにはいかないと悟ったのだ。
アレの行動を攻略組に知らせるとしよう。
そうなれば当然、アレは攻略組から弾かれ、恐らく牢獄送りの裁定が下るはずだ。
しかし、そうなった時、アレ
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