暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン -旋律の奏者- コラボとか短編とかそんな感じのノリで
幻影の旋律
交わりの時来たれり
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一応、雪丸を振れるくらいの広さはあるのでいいとして(最悪、双剣を使えばいいだけだ)、はぐれないようにだけ気をつけよう。 と、そんなことを考えながらアマリの手を握ると、アマリもすぐに握り返してくれた。
「ん……」
「おー……」
そのままモンスターと出会うこともなく数分後、僕たちは少し広くなった空間に出て固まった。
「魔法陣?」
「数字パズルですねー」
「? ああ、魔方陣」
口頭だと伝わりにくいボケをかますアマリに突っ込みを入れるでもなく、僕は眼前の魔法陣に目を向けた。
そう。 魔法陣。
ファンタジー系のゲームやアニメでお馴染みのアレが目の前にある。
ここまでの道中に通路はなかった。
かと言ってこの先に道があるわけでもなく、あるのは明らかに胡散臭い魔法陣だけ。
これまで読んできた漫画や見てきたアニメ、あるいはやってきたゲームのことを思えば、これは転移系の魔法陣なのだろう。 つまり、これに乗れば別の場所に転移、みたいな。
SAOは製作者の趣味なのか、その手のお約束を外さないところがあるのでそれを疑う必要はないだろう。 ただ問題になるのは、果たしてこれがどこにつながっているのか、だ。
ふと隣を見ると、アマリは既にウズウズしているご様子だ。 きっと早く行きたいのだろう。
どうせここで何を言おうと相棒を止めることは叶わないし、何より僕もちょっと楽しみだったりするので、我ながら決断は早かった。
「じゃあ、いこっか?」
「いくですよー」
互いにそれだけ言って、僕たちは気負いなく魔法陣に飛び込んだ。
「いやはや、早速後悔だなぁ、これは」
転移特有の青いライトエフェクトが消えてから、僕はポリポリと頭を掻いた。
予想通りあの魔法陣は転移のためのものだったようで、周囲は今までのような回廊から一転、薄暗い洞窟に早変わりしていた。
相変わらず索敵スキルは使えないようではあるけど、そのModである《暗視》が使えるのでとりあえずは一安心だ。 この分だと、同じく索敵スキルのModである《罠看破》や《識別》も使えるだろう。 もっとも、それが事態を好転させるかと言えば圧倒的に否だけど。
「まさか、アマリと別々に転移させられるなんてね……」
手を繋いだまま飛び込んだはずのアマリがここにいない。 それは結構重要度の高い事実だ。
とは言え、僕とアマリは常に一緒に行動しているわけでもないので、その点は心配ない。 別行動になろうとアマリの心配はしていないし、アマリも僕の心配はしていないはずだ。 ただ、アマリといきなり離れ離れになったことにショックがあるというだけで、別段支障はない。
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