暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン -旋律の奏者- コラボとか短編とかそんな感じのノリで
幻影の旋律
交わりの時来たれり
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「ん……」
設定しておいたアラームの音に目を開けると、すぐそばにアマリの可愛い寝顔があった。
いつもユルユルなアマリだけど、寝ている時は更にユルユルで、その無防備な寝顔を見て僕は思わずニヤニヤしてしまう。 あるいはドキドキしてしまう、かもしれない。 その辺りはもうすぐ2年になる結婚生活を経ても変わらないので、もしかしたら一生こんな感じなのだろう。
サラッとアマリの髪を撫でてから、僕はベッドから抜け出すと、そのままの足でキッチンに向かう。
料理スキルを習得しているのは僕なので、日々の食事は基本的に僕が賄っている。 それどころか、僕は裁縫スキルも持っているので、普段着ている服から戦闘用の服に至るまで、その全てが僕のお手製だ。 もっとも、さすがに下着類だけは自力で用意してもらっているけど。
んー、さてさて、朝ご飯は何にしようかな。
SAOは基本的に洋食系のものが多く、白米と味噌汁なんて言う日本的な朝食は望めない。 あるいはアスナさんであれば、そのうち味噌の自作までしかねないので、いよいよとなったら分けて貰うのも手だろう。 キュートなアマリのお願いであれば、あの妹煩悩のアスナさんのことだから、一も二もなく了承してくれるはずだ。
とは言え、今はまだそれもないので却下。
一応コンプリートしてはいる料理スキルだけど、アスナさんほど真剣に研究していなかったため、さすがにオリジナルの調味料はない。 と言うか、僕もアマリも、食事の重要度が結構低い位置にあるので、そこまでこだわりがないだけの話しだったりする。
「時間もあるから、アスナさんに弟子入りしよっかな」
確実にやる気のない予定を呟いてから、適当な材料をオブジェクト化していく。
さて、調理開始だ。
「フォラスくん、今日は何するですかー?」
「ん? んー、折角のお休みだから家でダラダラしようかなーって。 久し振りになんの予定もないしね」
「じゃあ、偶には私とゆっくりお話するです。 最近はあんまりお喋りしてくれなかったから寂しかったですよ?」
「あー、確かにそうかも。 ごめんね、アマリ」
「あはー、私は良き妻なので許してあげるですよー」
食後のコーヒーを飲んでそんな取り留めのない話しをしていたら、唐突に電子音が鳴り響いた。
見るとアマリにも同時に聞こえていたらしく、僕たちは顔を見合わせて首を傾げつつメニューを開き、幾つかの操作をしてクエストのログ・ウインドウを開く。 その最上段、つい最近クリアしたばかりの高難度クエスト《龍皇の遺産》の項目をクリックすると、そのページの最下部に新たな一文が追加されていた。
【龍人の鍛冶師より頼みごとがあるらしい。 彼の元へ急げ】
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