里
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夢を見たのはかなり前なので記憶があやふやだ
既に敷かれていた布団の上で座禅を組み瞑想を始める
出来るだけ何も考えず体の中を探るように集中する。すると徐々に周りの雑音が無くなり静かになる。聞こえるのは心臓の鼓動のみ
そうやって集中してそれなりの時間が経った。途中から完全に思考が切断されてたので体内時間すらハッキリしないがお腹辺りに暖かい何かを感じる
目をゆっくり開けるとお腹の温かさが少し消えたが集中するとまた暖かくなる
「……意外と体力使うわね」
気が付くと髪が汗で濡れていた。霊力にまだ慣れていないせいでむだな精神力を使ったらしい
このままでは霊力の前に体力が切れてしまう
(体力が切れる前に何か一つでも覚えないと)
もし明日起きればまた霊力を感じられなくなるかもしれない
そんな焦りから私は急いでページを捲った
お札の使い方、霊弾の撃ち方、妖怪の使役方法など多方面の術がある中一つだけ私の眼を引いた
(回復術)
好戦的だった夢の中の霊夢は使う事のなかった術
私は別に妖怪を退治したい訳でも戦いたい訳でもない。ただ生き延びたいだけだ
そんな私にはこの術は最適といえる
詳細を読むとこの術は魔法の様に癒すのではなく体に霊力を循環させ体本来の治癒力を底上げするものだ。欠点としては術者も怪我人も体力を消耗すること。そのため瀕死の人にこの術を使うと傷が癒える前に体力が尽きて死んでしまうらしい
(よし、これにしよう!)
幸い(?)にも今日のルーミアの襲撃で体には擦り傷が残っている
その傷に手を重ね霊力を送る。同時に目を瞑りながら細胞が再生するイメージする。すると傷が暖かくなり徐々に消えた。手をどかすと傷が癒え新しい皮膚が出来ていた
「やばっ、もう体力が……」
傷が癒えると同時体力に体力が尽きてしまった
薄れゆく意識の中、私は絶対に体力を鍛えることを胸に誓った
(ん?何だか騒がしいわね)
目を開けると時刻は朝の7時。幻想郷の住民はみんな起きる時間だが霊夢には少し早い時間
目覚めて初めて気づいたのは外がやたらと騒がしい事。
「幻想郷の朝っていつも煩いのかしら?」
目を擦りながらノロい足運びで玄関に向かう
玄関に近づけば近づくほど騒音は酷くなる
安眠を邪魔され不機嫌な霊夢は少し乱暴に玄関のドアを開けた
そこには
「なによ……これ……」
幻想郷を覆いつくすように赤い霧が充満していた
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