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東方霊夢譚

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一瞬ルーミアかと思った外見が違った
青色のかかった銀髪に青い博士帽


「大丈夫か?怪我はないか?」


上白沢慧音、里の守護者が目の前に立っていた




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霊夢が去った後、紫は楽しそうに微笑んでいた


「あんなに面白そうな人間は久しぶりね」


最初はよくある外来人かと思った。だが話している内に彼女の異常性に気付いた
幻想郷の存在にも妖怪の存在にも驚かない。ましては目の前の私が妖怪だと明かしても同様すらしない。まるで全て知っていたかのように
それに普通帰れないと言ったら自分を返せと怒鳴り散らかすはずだが彼女は直ぐに自分の現状を受け入れた


(異常、本当に異常ね、あの子。でも…だからこそ面白いわ)


「あら何か嬉しい事でも有ったの?何もないのにニヤニヤして。気持ち悪いわよ」


振り返るとこの神社の巫女、博麗霊華が立っていた
整った顔に黒のストレートな髪、博麗伝統の脇のない赤ベースの巫女服。正に大和なでしこという言葉が似合いそうな彼女だが服のあちこちが破けていたり血がにじんでいた


「あら、随分と手古摺ったようね」

「そうなのよ。香霖堂に依頼しないとね。それはそうと何かあったの?」

「さっき外来人が来たのよ。もうすでに人間の里に向かったわ」


紫のその回答に霊華は頭の上にハテナマークが浮かび上がる。そんな霊華の反応を楽しむかのように扇子で隠した口は微笑んでいた


「何で向こうの世界に返さなかったの?外来人でしょ?」

「そうね。結界の歪みで迷い込んでいたら返した他でしょうね」

「?どういうこと?焦らさず早く教えてよ」

「つまり彼女は正規の方法で来たのよ、幻想郷に。この世界から幻想としてはじき出されたのよ」


だから私も彼女を向こう側に戻してやれなかった
見た感じ普通の少女だが、もしかしたら私も知らない途轍もないものを隠しているのかもしれない


(楽しみね。貴方がその秘密をさらけ出す時を)


こうして霊夢はいつの間にか紫にロックオンされた

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