妖
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く見かけるネット小説で似たようなものを見たことがある。主人公がトラックに轢かれて死んだかと思えば自分の知っている小説の世界に転生したり、何かの拍子に自分の知っている小説の世界に転移したり。どれも似たり寄ったりだが私の状況は正にそれだろう
その小説の主人公たちは大抵喜んだりするのだが私にはそんな気持ちは湧いてこない。どちらかと言えば今までの謎が一つ減ってスッキリした事ぐらいかな。幻想郷という場所の存在を確認しただけでも博麗神社に来た甲斐があるものだ
だけど謎が新たに増えてしまった。何故私は知りもしなかった幻想郷の存在が夢に出てきたのか。博麗霊夢とは一体誰なのか。いくら考えても頭が痛くなるだけで答えは出てこなかった
「という訳でここは貴方が居た場所とは人もルールも違うの。何が言いたいかって言うと郷に入れば郷に従えという事よ。分かったかしら?」
紫のそのセリフにハッと意識を取り戻す。考え事をしている間に話が終わっていた様だ。途中から聞いてないが夢の内容と大体同じなので問題ないだろう
「分かったわ。質問があるんだけど良いかしら?」
「良いわよ。何でも聞いて頂戴」
「私はもう向こうの世界には帰れないのかしら」
紫はずっと私がこの世界にに留まるのが確定したかのように喋っていた。夢の中ではもし外来人が無事博麗神社までたどり着ければちょっとした記憶処理をした後に紫によって返されるはずだ。だが紫はその事に全然触れていない
「そうね……残念だけれども無理ね。一度こちら側に来てしまえばもう出られないわ」
「そう。分かったわ」
やはり夢の中とは少し事情が違うのかもしれない
期待したわけでは無かったが断言されるとやはり落ち込んでしまう
来るときもっと色んなもの持って来れば良かった。パソコンとか、漫画とか
「それじゃ私はこれから何処で過ごせばいいのかしら?」
「それは問題ないわ。私の方から里の守護者に連絡しておくわ。仕事とかは貴方が探してちょうだい」
そう言うと紫は立ち上がり外へ出て行き私もそれに着いていった
「この道を真っすぐ進めば人間の里に着くわ。もう日も暮れるし危なくなるから早く行きなさい」
「分かったわ。今日はありがと。助かったわ」
紫が道の先を指さしそう言った。私はそれに頷きその道に進んでいった
「そういえば名前を聞いていなかったわね」
「そういうのは普通貴方の方から名乗るべきじゃないのかしら?」
紫の言葉に私は立ち止まりそう返事すると紫は一本取られたわねと心にも無い事を言い小さく笑った
「私は八雲紫。この幻想郷の創立者の一人にして賢者よ」
「…柊霊夢よ」
「よろしくね霊夢
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