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銀河英雄伝説〜ラインハルトに負けません
第百一話 伯爵の憂鬱な日
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きはひとしおであった。

「誰が入って良いと言ったか!」
フォルゲン伯爵が叫ぶが、入ってきた人物を見て、その顔は驚きに変わる。
「ホホホ、久しぶりじゃな、伯爵」

そこにいたのは、先頃の憲兵隊粛正で新たに憲兵隊総監になり更に爵位を伯爵にまであげた、グリンメルスハウゼン大将であったからである。

「グリンメルスハウゼン伯爵が何故此処に」
フォルゲン伯爵は驚きでそれしか言えない。
「憲兵総監と言えども家族間の事には口出し無用にお願いしたい」
ハルテンベルク伯爵は流石に肝が据わっているのか冷静なのか返答が整ってる。

グリンメルスハウゼンは数名の部下と共にここに来ていた、無論事を荒立てない為に館の者達はあらかじめ潜入していた草が催眠ガスで眠らせ、向後の憂いがないようにした後で密かに現れたのである。バウマン少将もそのお膳立ての為に現れたのであった。

「しかし、どうやって此処へ?」
「ホホホ、フォルゲン伯爵、ハルテンベルク伯爵共に聞かれたら不味い事であるしの、卿等以外は暫く寝て貰ったのじゃ」
「グリンメルスハウゼン伯爵、我々に聞かれて困ることなど無いぞ!」

些か苛ついてきたのかフォルゲン伯爵ががなりだす。
「ホホホ、その様に無体なことを言うでないわ、そちの弟のことじゃ」
ハルテンベルク伯爵とフォルゲン伯爵はその話を聞いて少し顔色を変える。

「な、な、なんの事ですかな」
「左様、弟君の事とは何か有りましたかな」
フォルゲン伯爵はどもりはじめ、ハルテンベルク伯爵はすっとぼけた態度である。

「ほー、此でも関係ないと言えるかの」
ブレンターノ准将が多数の資料と映像記録を立体映像で次々に映していく、それにはカール・マチアス・フォン・フォルゲンがサイオキシン麻薬の密売に関与していることなどが事細かく描写されていた。

それを見た2人は、今までの威勢など何処かへ飛んで行ったかのように崩れ落ち、頭を抱えたり絶望の淵に立たされた思いになっていった。考えることは、憲兵総監に知られた以上は最早どうしようもない、此処で賄賂や取引や口封じなどは全く無意味だと言う事は強行突入してきたグリンメルスハウゼン伯爵以下に我が家の護衛が誰1人来ないことで判るのだから。

フォルゲン伯爵はもう我が家はお仕舞いだ・・・一族こぞって死罪だ・・・・
ハルテンベルク伯爵も我が家もお仕舞いだ、私の地位もエリザベートも全て・・・
更にグリンメルスハウゼン伯爵が鬼気として特大の爆弾を投げつける。
全く持って相変わらず食えない爺である。

「恐れ多くも皇帝陛下もカール・マチアス・フォン・フォルゲンのサイオキシン麻薬密売はご存じじゃ」
まさに特大の精神攻撃である、2人は完全に恐怖と絶望に落とし入れられた。即ち己だけではなく一族の破滅を、そして
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