ペルソナ3
1814話
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「俺が戦う訳じゃないからどっちでもいいが、その方が安全だろうな」
「……ごめんね、私のせいで」
荒垣が俺の意見に賛成し、ゆかりは申し訳なさそうに謝ってくる。
「いや、別にゆかりが悪い訳じゃない。この場合、悪いのは俺だろうな。俺は戦闘に対してある程度慣れてるから、毎日のようにタルタロスで戦闘を繰り返しても問題はなかった。けど、ゆかりはついこの前まで一般人だったんだし」
他にも、混沌精霊の俺と人間のゆかりでは体力とか集中力とかにも大きな差があったのだろう。
今まで俺と共に行動していた者達は、その殆どが少なからず戦いに接していた。
……まぁ、ナデシコ世界ではナデシコに乗っていたのは殆どが軍人ではなかったが、それでもプロスペクターによって選ばれた精鋭――あくまでも能力だけ――揃いだった。
ともあれ、完全な一般人という意味では、ゆかりは俺と行動を共にするには非常に珍しい存在だったのは間違いない。
それだけに、1日3時間から5時間程度ではあっても、毎日のように文字通りの意味で命を懸けた戦いを繰り広げてきたというのは、ストレスや体力的な負担といったものが強く出たのだろう。
考えるまでもなく、命を懸けた戦いというのは強いストレスを産むのだから。
そういう意味では、俺達と付き合っている荒垣も似たようなものだが、荒垣は前提が違う。
以前聞いた話によると、桐条や真田達と共に行動していた時は、ペルソナを使ってタルタロスから出てきたシャドウを倒していたという話だし、2階と3階程度ではあっても、タルタロスに何度も挑戦していた。
だとすれば、やはり前提そのものが違っていてもおかしくはない。
「そうだな」
荒垣も俺の意見に異論はなかったのか、頷きを返す。
「あの死神が現れる可能性もあるから、完全にゆっくり出来るって訳でもないだろうけど……ともあれ、何かあったらすぐに脱出出来るようにしながら行動するとしよう」
話を纏めるように俺がそう告げ……ちょうどその瞬間、まるで狙ったかのように12時になり、影時間に突入する。
「……さて、じゃあ行くか。久しぶりのタルタロスだ」
その言葉にゆかりが頷き、荒垣は面倒臭そうにしながらも立ち上がる。
そうして準備を全て整えた俺達は、3人揃って影に沈み込んでいくのだった。
「当然だけど、何か変わっている様子はないな」
タルタロスの1階、エントランスを見回しながら呟く。
まぁ、数日来ない程度で変わっているとかだったら、それこそタルタロスを攻略するのは一生無理だろうけど。
ああ、でも5階と10階以外の場所は毎日のように変わってるんだから、その辺りは殆ど差がないのか?
「この短時間で、変わるはずないでしょうに」
少し
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