第十九話 紹介その三
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「すげえな」
「それがこれを飲めば」
「はい、十五回も二十回もです」
源三は依頼主に笑って応えた。
「充分にです」
「出来ますか」
「そうです」
「それは楽しみです」
その小柄な細君が笑顔で応えた。
「夜が」
「はい、では」
「お金を払わせて頂きます」
「それでは」
「あとです」
細君は笑顔でだ、源三にこうも言った。
「お約束のことですが」
「お薬が出来た時のですね」
「そのことですが」
「実はそのことは友人に譲って欲しいのですが」
「友人といいますと」
「彼です」
久志を指差して言うのだった。
「こちらの」
「あっ、中々格好のいい方ですね」
「腕に自信のある戦士です」
久志のレーヴァティンのことはここで話すと複雑になると思い隠してこう説明したのだった。
「かなり強い」
「旅の戦士殿ですね」
「そうなります」
「そうですか、それではお家がないですね」
「そうなります」
「源三さんも間もなくですね」
「このお家は出ます」
「それではお家がなくては」
それではというのだ。
「どうしたものか」
「通いはどうでしょうか」
ここでこれまで沈黙していた順一が提案してきた。
「それで」
「通いですか」
「彼がです」
順一もまた久志を手で指し示して細君に話す。
「通うということで」
「妹が嫁いで家に入るのではなく」
「はい」
こう話すのだった。
「そうされては」
「それは面白しですね」
細君は順一のその言葉に笑顔で応えた。
「それではです」
「その様にですね」
「そうしましょう」
「あr、じゃあお家何処ですか?」
ここで久志が細君に尋ねた。
「妹さんの」
「はい、この街の南西でして」
「あれっ、同じ街ですか」
「はい」
細君はその久志に微笑んで答えた。
「そちらの大きなお屋敷にです」
「住んでおられますか」
「一人で」
「あっ、お一人で住んでおられて」
「住み込みの使用人は数人いますが」
それでもというのだ。
「家族はいません」
「それで、ですか」
「妹もいい歳なので」
細君は姉として妹を気遣う顔も見せて話した。
「是非にと。見たところあなたは」
「俺ならですか」
「腕が立ちますね」
「ええ、巨人を倒したこともありますよ」
久志は不敵な笑みで真実を述べた。
「嘘じゃなく。三人でドラゴンゾンビも倒しました」
「そうですね、私も多くの剣士の方を見てきましたが」
その中でもというのだ。
「貴方様はかなりのお強さです」
「家柄とかは」
「当家は平民です」
「あっ、そうなんですか」
「確かに裕福と言っていいですが」
それでもというのだ。
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