ウィザード・トーナメント編 前編
ウィザード・トーナメント開幕
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興味を持ったから勉強していく中でアーサー王についても少し知ったんだが、どうにも昔の偉人というのはどこまでが真実か分からなくて信憑性がない。それはマーリンという存在があろうと無かろうと変わらない。
「ちっ...違いますって!別に不純正行為とかそういうことをしに来たわけじゃなくて.....。」
「まぁまぁ。若者の心中を察してやれない私ではない。それにこういうイベントは個人的に好きだよ。」
何を言っても手応えがない。主導権を取られた。沈黙は破られたが、この状況はむしろ沈黙よりも良くない。隣の席を見ろ。華澄はマーリン学園長の煽りで明らかに赤面している。そして、ひと通り荒らし終えた後、嵐のように彼は自分の席に去っていった。
微妙な空気を僅かに残しながら、再び俺と華澄だけの空間になる。今度は華澄から切り出してくれた。
「学園長さん、すごかったですね。人って長く生きるとあんな風になるんですかね。」
「いや、あの人は半分人間じゃないし。あの人を基準としてみるのは絶対に間違ってると思うぞ。」
「あら、乱暴ですねフフフッ.....。」
そう言うと華澄が黙り込む。俺は何か余計なことを言ってしまったんじゃいかと不安になる。だがそれは俺の思い込みで、華澄は傷付いているわけではなかった。
「私はアナタに感謝してます。」
「ん?何をだ?」
華澄はクスクスと笑って「秘密です。」と言って会話を切った。別に大したことではないと思って俺はその意味を追求することはなかった。
イギリスに到着する。
飛行機を降りると少し肌寒さを感じた。日本とイギリスだからかなりの時差で感覚的にも違和感がある。だが、そんな感覚よりも俺が最初に空港で感じ取ったのは明確な殺意だった。
全身の毛穴が開くような感覚。肌寒さはこの殺意から感じ取ったものなんだろうか。多くの生徒がこの殺意を感じ取っているような感じはしない。ただ、何人かの生徒は何だか不安そうに辺りを見回しているところから、この殺意はピンポイントで向けられたものだと理解する。
「ハハハッ...さぁどうやって楽しもうかなぁ....。」
マーリン学園の生徒の一行を少し離れたところから一人の青年が見ていた。後々、この青年はとある有名な殺人鬼の名を借りてマーリン学園の生徒に一時的な恐怖を与えることになるがまだ俺たちはそれを知らない。
俺たち生徒一行は空港を出た後、マーリン学園の生徒が泊まるために手配されたアヴァロンホテルに移動した。設備の充実した明らかに高価なこのホテルはマーリン学園の偉大さを間接的に証明していた。
「なんか、こう堂々と見せびらかされると逆に清々し
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