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ウィザード・トーナメント編 前編
ウィザード・トーナメント開幕
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トイレで手洗いを終わらせて席に戻ろうとすると、華澄とばったり遭遇する。互いに驚いたが、華澄はすぐに優しそうな笑顔を見せる。


「アナタも落ち着かないのですか?」

「あぁ...昨日の夜も眠れなくてさ。さっき寝たから少しはマシになったけど、まだなんかソワソワして。」

「フフッ、そうなんですね。そう言えば私の隣の席が空いているんですけど、アナタが良ければ少しだけ一緒にいてもらっても良いですか?」

「俺に?」


まるでハーレム系のヤングコミックのような展開だ。これがR-18ならこの後の展開はだいたい分かる。でもその先を言ってしまえば、なんか終わる気がするからそうだな「ご想像にお任せしよう」とでも言っておこうか。


「はい。私はそんなに多くの生徒と面識があるわけじゃありませんし、人に声を掛けるのは少し苦手で、だから知り合いのアナタがいると落ち着くんです。」

「なるほど、分かったよ。少しの間になるが暇つぶし程度に少し駄弁るか。」




















華澄の席まで行くと言った通り隣の席が空いていた。華澄が奥の方の自分の席に腰掛け、俺が手前に座る。だがここで問題が発生する。話題がない。


今までの俺は何か目的があって誰かと話していただけあって、何も無いのに話すのは苦手だと理解した。そんな俺の気持ちが華澄にも伝染したのか、何だか向こうまでソワソワし出している。何だこの空気は。


もう誰でも良いからこの空気をどうにかして欲しい。冷やかしでも良いからこの沈黙を破って欲しい。そう思った時だった。


「おやおや?機内で不純正行為だなんて、最近の若者は元気だねぇ。結構結構。」


その声は若々しいのに貫禄を感じる。振り向くとこちらを覗く若い男性がいた。俺たちはその男性が誰か知っている。一度知ったらその見た目と名前を忘れることはないだろう。マーリン学園の頂点にして、現時点で生きている魔術師の中で最も古いとされる。生きる伝説。「マーリン学園長」だった。


「イギリスか....私が仕えた遥か昔の王の国。まさかこんな形で戻ってくるとは思わなかったよ。まぁ、もう何度も繰り返していることだから慣れているけどね。」


マーリンは理想郷「アヴァロン」にて塔に閉じ込められた後、自分でその塔ごと自分を封印したらしいが、こうして本人が目の前にいるとその話の真偽は判断が難しい。マーリンは自身の行いを反省するために塔に篭ったらしいが、もう反省し終えたから出て来たのか、はたまた最初から塔になんて篭っていないのかもしれない。ただ、彼がどうしても否定しないのは遠い昔にブリテンの騎士王ことアーサー王に仕えていことだ。


俺も中学生くらいの頃に世界の偉人に
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