第百話 シュザンナの4月
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に、ダンスを一緒に踊って下さいました。私は天にも昇る気持ちで皇帝陛下と夢のような時間を過ごすことが出来ましたの、けれど夢の時間はあっという間に過ぎてしまいましたわ。シンデレラの様に皇帝陛下が迎えに来てくれるのでは夢見ましたが、結局は音沙汰もなく諦めていましたわ。
けれども、最後に王子様である皇帝陛下と手を繋ぎ踊れたことを一生の思い出として、私を道具としか見ていない両親への当てつけに妾にされる当日に死んでしまおうと準備をしておりましたわ。
けれど宴から2ヶ月後の4月25日、我が家に誰かが訪ねてきて、両親が慌てて迎え入れていましたわ、私は関係ないから部屋に閉じこもって居ましたら、メイドのヘレーネが慌てて私を呼びに来ましたの、渋々応接室へ向かいますと、立派な身なりの貴族が来ていましたわ、あーこの男に私は売られるのかと思い絶望に身を砕きました。
けれども、その貴族の言葉を聞いて我が耳を疑いました、今でも覚えているあの言葉を。
『皇帝陛下が貴女をお見初めなされて、寵姫にとのお言葉ですぞ』
一瞬私は何が起こったのか判りませんでした、けれども次第に冷静になっていくと嬉しにより飛び上がりたい気分になりましたの。
両親を見ると、大変驚いた様子でしたが、実際はほくそ笑んでいるのがよく判りましたわ、貴族の妾より皇帝陛下の寵姫の方が遙かに実入りが良いでしょうからね、けれどもそんな事より私は王子様である皇帝陛下にお仕えできることが嬉しくて嬉しくて天にも昇る気分でしたわ。
私には最初嫌な貴族に見えた方が私を救い出してくれる天使に見えましたわ、両親は私の意見も聞かずに直ぐさま、返答していましたのが滑稽でしたわ。最早あの方々は養育費をくれただけですからね、育ててくれたのは乳姉妹ヘレーネの母であるマーリカですからね。その時必ずマーリカやヘレーネ達を連れて行こうと堅く誓いましたわ。
こうして私は夢のような皇帝陛下との日々を過ごせるようになりましたの。
皇帝陛下は思っていたとうりお優しい方で、全てが初めての私を労って下さいました。初めては痛かったけど凄く幸せな気分になれたのが昨日のように思い出せます。
私は、皇帝陛下の御側にいられるだけで幸せでしたのに更に皇帝陛下は私をベーネミュンデ侯爵夫人として叙して下さいました。ついでに父は伯爵に叙されましたけど、此だけはいらない感じでしたわ。父は私の権勢を利用しようとしている様ですが、そうはいきません、私はあの仕打ちを忘れてはいないのですからね。
そうしているうちに、皇帝陛下の御子を授かる事が出来たのです。あの時の嬉しさは今でも忘れられませんが、悲しさも同時に起こってきます。皇帝陛下は大変御喜びであらしゃりました。けれども生まれた来た子は死産と言われましたわ、けどテレーゼの事を考えれば、あの子も害された
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