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短編集
その他原作
ウルトラマンタロウ×比企谷八幡
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ラマンジャック、ウルトラマンAを倒し、ウルトラマンタロウによって倒された怪獣である。
 その恐るべき力は怪獣の中でも最強クラスと言われており、侵略者たちがこぞってタイラントを復活させていた。
 そのタイラントは邪魔をするものを蹴散らしながら、目的地へと向かっていた。



 「見えたぞ!」
 「うおー!すげぇ!」
 「あれ?防衛軍は?」
 「そう言えば…」
 「ってことはマズいんじゃ?」

 タイラントの進撃を屋上から眺めていた二年F組の面々はようやく自分たちが置かれた状況を把握し始め、恐慌に陥り始めていた。

 「だ、誰だよ!屋上に行こうって言ったやつ!」
 「戸部じゃねえ?」
 「だな」
 「それな」
 「ふざけんなよ!手前の所為で!」
 「皆、反対しなかったじゃねぇか!」
 「そもそも隼人君が反対しなかったじゃないか!」
 「だな!」
 「それな!」

 恐慌状態に陥った男子は責任の擦り付け合いを始め、女子は身を寄せ合って泣き始めた。
 誰も屋上から逃げると言う考えを持っていなかった。

 (助けて、ヒッキー)

 その中で一人、由比ヶ浜は自身の想い人に思いをはせた。







 −助けて、ヒッキー―

 「あん?」
 「どうかした?」
 「何か気になる事でもあるの?」

 2年F組が学校に残っていることに気が付かずに避難してきていた比企谷八幡は不意に聞こえてきた由比ヶ浜の声に変な反応をし、近くにいた戸塚彩加、川崎沙希がそれにつられて反応をする。

 「いや、今由比ヶ浜の声が聞こえた気がしてな。……気の所為だろ」
 「そう……だよね」
 「あぶないって言ってるのに避難しないなんてありえないからね」
 「………ねえ、八幡」
 「ん?」
 「ウチのクラスの人、いないような……気が…」
 「「は?」」

 軽く周囲を見回していた戸塚がそう云う。
 それにつられて、二人も周囲を見回すと、見覚えのある顔の人間が誰一人としていないことに気が付いた。

 「まさか…、学校に残ってるってことはないよな…?」
 「ちょっと僕、先生に言ってくる!」
 「……学校に戻ってみる」

 戸塚は前方を歩く先生の元へ走り出し、八幡は踵を返して、走り出した。
 川崎は「待って!」と呼び止めようとするが、あっという間に八幡の姿は見えなくなった。

 「……どうか無事に帰って来て…」

 川崎はただ祈る事しかできなかった。





 総武高校に向けて走る八幡はタイラントの口元に炎の兆候が見え始めていた。

 (ちっ!マズイ!)

 明らかにタイラントは炎を校舎に向けて放つつもりであった。
 そうすれば校舎に残っているであろう由比ヶ浜
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