いつか……
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ハハハ!!」
「涼風?」
「いやぁだって! ゆきお、あたいのこと今散々笑ってるけど、さっきはあたいにチューしようとして、しかも『むりぃ』って泣いてたんだぜ!?」
「う……そ、それは……」
「アハハハハ!!」
「わ、笑わないでよッ! ぼくだって必死だったんだからッ!!」
さっきのゆきおの必死な顔を思い出すと、笑いがこみ上げてしまう。ゆきおはそんな私に対してぶんすか怒っているようだけど、そもそも私のことを笑ったゆきおが悪いっ。
「ちょっと……涼風っ」
「ハハハハハ!! ヒー……おなかいたい……!!」
「……」
「アヒャヒャヒャ!!」
「……フフ」
そうしてしばらく私が笑っていたら、ゆきおも段々つられてきたようで、少しずつ笑みをこぼし、やがて声に出して笑い始め……
「「アハハハハハハ!!」」
最後には、二人で声を揃えて大笑いした。お互いが、お互いの恥ずかしい瞬間を思い出して大笑い……本当はとっても恥ずかしいことなのかもしれないけれど……
「ヒャヒャヒャ! おなかいたいおなかいたいぃぃいい!!」
「涼風だってケッサクだったのにっ!! アハハハハハハハ!!」
「ゆきおだって、口とんがらせて、ひょっとこみたいでおかしかったぜ? アヒャヒャヒャ!!」
「涼風だって、顔真っ赤にしてクネクネ踊って、すんごくおかしかったよ? アハハハハハハ!!」
「「アハハハハハハ!!」」
でも、楽しいからいいや。ゆきおと二人で、こうやって一緒にお腹抱えて大笑いできるのが、とてもとても楽しいから。
笑い過ぎて目にたまった涙を拭いて、私はゆきおの顔をチラッと見た。
「おかし! 涼風と一緒にいると、やっぱり楽しい! アヒャヒャヒャ!!」
今、私の隣で涙目で私を大笑いしているゆきおは、顔真っ赤で、私と同じように笑い過ぎで涙目になっていておなかを抱えて、苦しそうに時折カヒューカヒューと呼吸してるけど。
でも、やっぱりとても素敵なゆきおで。一緒にいると楽しくて、私を自然と笑顔にしてくれる人で。
確かに榛名姉ちゃんクラスの女子力を持ってるし、走る姿は内股だけど……いざとなったらとっても頼りになって……そんなゆきおが、私の隣で笑顔になってくれているのが、とてもとてもうれしくて。
そんなことを考えていたら、私は胸が一杯になり、お腹を抱えるゆきおの右手を手に取った。
「ゆきおっ」
「ヒャヒャヒャ!! ヒー……ヒー……あれ、どうしたの?」
あったかい。ゆきおの手は、やっぱり今日も、あったかい。
「へへ……ゆきおっ!」
……そして、ドキドキする。手を握る度、手を繋ぐ度、そのあたたかさが、私の胸を温めてくれて、ドキドキさせてくれる。
「へへ……涼風っ!」
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