いつか……
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叡さんを見るやいなや、その生々しいイメージが再燃。そのイメージは知らず知らずの内、比叡さんから私になり……相手が自分になり……うあああああもうダメだ。説明できねーよこんな恥ずかしい話……ニヤ。
そうして、(たとえそれが本人の思い込みだったとしても)引くに引けなくなったゆきおは、意を決して、私をお昼下がりのデートに誘い……そして私を押し倒し……ち、チューしようとしたけど……うおおおお。
「ふっ……ク!! ほうっ……クォッ!?」
「急にタコ踊りしはじめてどうしたの?」
「ゆきおのせいだッ!!」
「?」
自然と不思議な踊りを踊り始めて、ゆきおのマジックポイントを吸収しようとする自分の体は、中々抑えが効かない。
「ゆきおっ! あたいを止めてくれっ!!」
「ど、どうやって!?」
『あたいをギュッてして、チューして止めろよ!!』とは、口に出せず……不思議そうに私を眺めるゆきおを尻目に、私は暫くの間、身体が勝手にタコ踊りを踊る奇病に苛まれた。
「うおっ……クォッ!?」
「……ぷっ」
おっ。あたいのタコ踊りがやっと止まった……でも今度はゆきおが……
「アハハハハハハ!」
「お?」
「涼風、おかしいっ!」
なんということだ……摩耶姉ちゃんではなく、ゆきおが私のタコ踊りを見てお腹を抱えて大笑いしている……私はタコ踊りが止まったのをいいことに、ビシッとゆきおを指差して、ものすごい剣幕でゆきおに言い寄っていくのだけれど。
「こらゆきおっ!」
「ひー……ひー……おかし……アハハハハ!!」
「あたいを笑うなッ!」
「だって涼風……顔、真っ赤だよ?」
「う……」
だって……ゆきおとチューしてるとこ想像して……ボンッ!!
「どうしたの涼風!? 頭から湯気出てるよ!? アハハハハハハ!!」
「誰のせいだよっ! 全部ゆきおが……!!」
「ぼくが……?」
『さっさとあたいにチューしてくれないからだッ!!』とは、口が裂けても言えず……。あー……でも、チューされたらされたで……ボンッ!!
「ゆきおぅ」
「アハハハハハハ!! ヒー……ヒー……」
ちくしょう。ゆきおのアホ。誰のせいでタコ踊りを踊らされたと思ってんだ。私は今、目の前でお腹を抱えて私のことを大笑いしているこのゆきおに対して、怒りがいっぱいなのだが……
「おなかいたいおなかいたい! ヒー……」
「……」
「アハハハハハ!」
この目の前の少年が、ついさっきまでは、私を押し倒して、まっかっかな顔でチューを迫ってきていたことを思い出した。あの時は私も余裕が無かったけれど……今思い出してみると、あの顔はあの顔で、とてもケッサクだった。本人に見せてやりたい。
「……フハッ」
「へ?」
「アハハ
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