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とある3年4組の卑怯者
20 赤子(ながさわたろう)
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、私は藤木には怒ってないから大丈夫よっ!!」
 城ヶ崎は慌てて藤木を宥めた。藤木は頭を上げた。
「え、う、うん・・・」
「城ヶ崎さん、いいよ、藤木は勝手に自分を責めてんだから・・・」
 まる子が城ヶ崎に言った。
「そうなんだ、でも今日永沢のママがウチに来たんだ」
「えっ、永沢のお母さんが!?」
「うん、永沢のママも謝ってたし、それに弟の太郎君が私のピアノを気に入ってくれたし、これから太郎君と一緒に遊べたらなと思うんだ」
「へえ〜、太郎君が城ヶ崎さんに、兄弟とはいえ永沢とはえらい違いだねえ」
 まる子は太郎に感心していた。
「まだ学校に戻るまでは時間かかるけど、元に戻れるよう頑張るわ。だから皆、心配しないで・・・」
「うん・・・」
 一同は城ヶ崎の精神が少しでも回復しつつあることに安心した。こうして皆城ヶ崎の家を後にした。

 その晩、城ヶ崎家の夕食では、城ヶ崎は父親に今日のことを話していた。
「ほう、永沢君のお母さんが来たのかい」
「うん、それで永沢の弟の太郎君が私のピアノを好きになってくれて、太郎君のためにもピアノは続けていこうと思うんだ。パパ、昨日は新しい服なんて要らないとか言ったけど、やっぱりお願いしてもいいかな・・・?」
「ああ、もちろんいいとも」
「ありがとう・・・」
 城ヶ崎は太郎に会えて本当に良かったと感じ、そして自分を元気づけた永沢の母と太郎に感謝していたのであった。
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