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【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。
0152話『旗風の鎮守府散歩』
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誰も拒否する人はいませんから」
「ありがとう存じます」

それで空母寮を後にしたわたくしは次は、戦艦寮や特殊艦寮、潜水艦寮などと色々と周っていきまして寮の見学は大体が済んだので次は施設などを見学しようと思いました。
そして特に目についたのがなにかの菜園でしょうか? お野菜を作っているようで何人かの艦娘の方々が畑を耕していました。

「お? 旗風か。どうしたんだ?」
「天龍さん。はい、見学に来ました」
「そうか。まぁここは提督の趣味で始められた菜園だからあまり面白味もないけどみんながみんな楽しんで作っているから旗風もその気があったら参加してみてくれよ」
「はい! その時はよろしくお願いしますね」
「おう!」

それで天龍さんは人好きの笑みを浮かべてわたくしを送り出してくれました。
ああ……確かに農作業は楽しそうですね。
自給自足もいいものです。
その後にわたくしは鎮守府の隅の方でひっそりと佇んでいるあるものを発見しました。
石碑……でしょうか?
そこには数名の名前が彫られていました。
これはもしかして……。
すると背後で誰かの気配を感じたので振り向いてみるとそこには司令の姿がありました。

「やっぱり最後はここに来たんだな、旗風……」
「司令。これは、もしかして……」
「ああ。旗風の思っている通り、この世界に来る前に私がやってしまった罪なんだけど轟沈してしまった子達のお墓なんだ」
「そう、なのですか……」

それでわたくしは今一度石碑をじっと見ます。
そんなわたくしの隣に司令が並んで、

「この石碑を見ると何度も思うんだ。もう二度と彼女達のような悲劇を起こしてはいけないってな……」
「司令は優しいですね。お墓まで作ってあげてるなんて……」
「そんな事ないさ。ただ、私の自己満足で作ったものだからな。でも、これでいつでもこの鎮守府に迷わずに彼女達が帰ってこれるからいいモノだと思っている」
「そうですね……はい、わたくしもそう思います」

その後に「少し辛気臭かったな。そろそろお昼だからなにか奢るよ」と司令に言われましたので快く受け取りました。
そして思いました。
こんなものまで作ってくださるのですから司令は優しい人なんだという実感を持てました。
朝姉さん達も楽しそうに過ごしていますのでわたくしも早くこの鎮守府の空気に溶け込めるように努力したいと存じます。



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