ペルソナ3
1811話
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きてしまったのだろう。
『……』
あまりに予想外だった為か、ゆかりは声を出すような事もせず、俺を見ている。
俺もまた、ここで何か声を出せばそれがゆかりを刺激してしまうと思った為に、迂闊に声を出せない。
お互いが無言で視線を合わせた状況のまま数秒が経過し……やがて、ゆかりが口を開く。
「きゃああああああああああああああああああああっ!」
その悲鳴は、俺がここにいるのを隠そうとか、そういう気遣いは一切存在しない悲鳴。
女子寮で……それも学校が終わって大勢が帰ってきてる時間にそんな悲鳴を上げれば、当然のように周辺から人が集まってくるのも当然だった。
「っ!? アクセル、消えて!」
走ってくる足音が聞こえたのだろう。
我に返ったゆかりが、ベッドの上に置いてあった服で身体を隠しながら、俺を見てそう告げる。
ここで気配遮断を使えば大丈夫と言おうとしたのだが、よく考えればゆかりの格好が格好だ。
気配遮断を使っても意味がないと判断し、俺は再び影に身体を沈めていく。
そして俺の身体が完全に影に沈む寸前……
「ちょっと、ゆかり! どうしたの! 何かあったの!?」
扉の方からそんな声が聞こえてくる。
それと同時に、俺の姿は完全に影に沈み……女子寮からある程度離れた場所にある建物の陰に姿を現した。
……さて、どうしたものか。
まさか着替え中だったとは、俺に取っても完全に予想外だった。
レモン達のような成熟した女と比べれば、やはりまだ未成熟と言ってもいいだろう。
だが、それでも既にその身体は少女から女に変わり始めているそれだった。
世の中には15歳でも幼稚園児や……よくて小学校低学年くらいにしか見えない奴もいるのに比べれば、ゆかりは非常に大人っぽいと言えるだろう。
まぁ、その小学生くらいにしか見えなかった2人は、俺が知らない間にかなり背が伸びたらしいが。
ともあれ、このままという訳にはいかない以上、ゆかりに連絡を取る必要がある。
……考えてみれば、寧ろ最初に行く前に連絡を入れておく必要があったんだろう。
そんな事を考えながら、携帯の電源を入れ……俺がゆかりに電話をするよりも前に、呼び出し音が鳴る。
誰が掛けたのかというのは、表示されている名前を見なくても明らかだった。
それでも、もしかしたら……出来れば違っていて欲しいという願いとは裏腹に、やはりそこに表示されているのはゆかりの名前だったが。
『ちょっと、どういうつもりよ!』
案の定、電話に出ると俺が何かを言うよりも先に、そんな言葉が聞こえてきた。
当然だろうが、声だけで怒っているのは十分に理解出来た。
「あー……悪い。まさか、着替え中だとは思ってなかったんだよ」
『せめて、来る
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