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勇者番長ダイバンチョウ
第21話 友と語る、セピア色の懐かしき出会い話
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だった。




     ***




 ある日、駒木は署長室へと呼び出されていた。
 呼び出しの原因は言わずもかな、番についての事だった。

「駒木君。いい加減彼を擁護するのは止めたらどうかね?」
「いいえ、待って下さい署長。彼は絶対俺が更生させて見せます。ですから、ですからどうか、実刑だけは勘弁して下さい」

 署長に対し、駒木はその場で深く頭を下げて懇願して見せた。だが、その駒木の頼みも、署長は苦い顔をし続ける始末だった。

「彼の悪行は凄まじい物だよ。傷害事件多数、器物破損、最近じゃぁヤクザ相手に無謀な喧嘩をしているそうじゃないか。我が署の署員だって、奴に巻き込まれて怪我人を出しているんだ。もうこれ以上あんな危険人物をかばい続けるのは不可能なんだよ」
「分かっています。だからこそ、だからこそ。奴の更生を俺自身にさせて下さい。お願いします!」
「・・・・・・」

 署長は頭を抱えた。駒木の今までの功績から、彼ならばもっと上の席につける事は当然の事だったのだ。
 だが、余りにも暴力行為を繰り返す轟番をかばい続けるが為にその出世への道を自ら閉ざし続けていたのだ。
 その為、かつて居た捜査一課から降ろされ、今は少年課に所属する状態となってしまっており、ついにはその地位すら危うくなり始めていた。

「残念だが、幾ら君の頼みでもこれ以上は聞けない。もし、今度あの少年が事件を起こしたら。その時は我々は容赦なく彼を少年院に送る。これは君の為でもあるんだよ駒木君」
「もしそうなったら・・・その時は、私は警察官の職を捨てます!」
「・・・君は本当に不器用な人間だなぁ。自分の出世を断って、自分の人生を滅茶滅茶にしながらも、尚もあの少年をかばい続ける。我々には理解出来ない事だよ」
「・・・失礼します」

 話を終え、駒木は署長室を出た。彼の顔には疲れの色が多々出始めていた。
 番の暴力事件の収拾に24時間態勢で居たために、ここ数日碌に寝ても居ないし、休息もまともにとれていないのだ。
 
(情けないなぁ、惚れた女一人守れなかった男が、そのガキを守れないなんてよぉ・・・くそっ、あの馬鹿野郎。今何処で何やってやがるんだ・・・早く帰って来い、心!!)

 ふらつく足を何とか保ち、壁に手をやりながら駒木は自分のデスクへと戻って行った。




     ***




 その日は、偉く夕日が赤い日だった。
 その日も、番は相も変わらず暴力に近い喧嘩を繰り返していた。
 
「もう終わりか? この腰抜け共が!」

 番の目の前には、ズタボロにされて倒れた学生達の姿があった。中には腕っぷしのありそうな者も居たが、それ以外はひ弱そうな学生達だった。

「おら立てよ! 喧嘩の続きしよう
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