ペルソナ3
1810話
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たおにぎりを口に運ぶ。
タラコ。……それも、生のタラコのおにぎりだ。
普通おにぎりの具でタラコと言えば、焼きタラコが普通だろう。
だが、俺は焼きタラコより、生のタラコの方が好きだった。
「……現金だな」
「ワウ?」
俺が半分程おにぎりを食べていると、まるでそのタイミングを待っていたかのように昨日の犬が姿を現す。
こうして自由に動き回っているのを考えると、やっぱり飼い犬って訳じゃないのか?
もしくは、飼われていた家を逃げ出したという可能性もあるか。
「お前、誰かに飼われてるのか?」
「ワン!」
何だか俺の言葉を理解出来るかのように吠える犬だったが、そもそも俺が犬の言葉を理解出来ない以上、どうしようもない。
「まぁ、いい。……ほら、折角お前の為に買ってきたんだから、食えよ」
そう告げ、最初に犬の前に出したのは1缶150円くらいのドッグフード。
あの一番高価な奴を最初に出そうかと思ったんだが、最初に美味いのを食うと、それ以降のドッグフードが味気なく感じると判断した為だ。
勿論、高級品=美味って訳じゃない。
いや、このドッグフードはそこまで高級品って訳じゃないんだし、値段と味が比例しているのか?
高級なドッグフードの中には、人間が食べても美味いって話をTVか何かで見た記憶があるし。
まぁ、原材料は肉とか魚なんだし、別に人間が食べて食べられないものではないと思うんだけどな
「ワウ! ワンワン!」
その缶詰のドッグフードが気に入ったのか、犬はガツガツといった感じでドッグフードを食べる。
俺の中でドッグフードといえば、もっとこう……コーンフレーク? いや、違うな。小さくて丸い固形状の物をイメージするんだが……
まぁ、缶詰の方が生っぽくて、犬にとっても嬉しいんだろうけど。
ドッグフードを食べている犬の頭をそっと撫でる。
もしこの犬が俺の予想通り飼い主の元から逃げ出したか何かして、野良犬になっているのなら、飯を食うのにも困ってるだろう。
目が赤いという事もあって、この犬にはやっぱりどこか親近感があるんだよな。
それだけに、この犬が腹を減らしていると考えると、思うところがある。
出来れば俺が飼ってやりたいところだが……俺が住んでいるのは、あの狭いアパートだ。
とてもではないが、犬を飼うようなスペースはない。
それにこうしていると、何となくこの犬はこの神社を好んでいるようにも感じられた。
勿論犬の気持ちが分からない以上、多分そうだと思う……といった感じなのだが。
「ワン!」
渡した缶詰を全部食い終わったのか、犬が俺の方を見て吠える。
もっと頂戴。そんな風に言ってるように思え、俺は再び空間倉庫の中から缶詰を取り出す。
今度
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