К竹林の賭博の物語(1)
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私の名はかぐや姫
竹に住まう 美しいお姫様
竹美姫と呼ばれみんなから愛されていました
―ですが、愛されるだけのおお人形では駄目なのです
私は苛なまれ 蔑み 罵られ 苛めて欲しいのです
沢山の殿方が私に求婚してきました
―ですが皆さま私よりも弱いのです
私は私よりも強い殿方が好きなのです
私を支配してくれるご主人さまが欲しいのです
―だから皆 死んでもらいました
この世にある全ての欲が満たされた 世界ゲヘナ
現世で罪を犯した罪人が堕ち行く果てる世界
―なら死んだ後にくらい いい思いをしてもいいではないですか
私が造ったのは 娯楽施設 千年魔京 またの名を桃源郷
―さあ 皆さま ようこそいっらしゃいませ。
私の城。千年魔京が完成してからいくつ程太陽が昇りましたでしょう。
いくつの月が輝きましたのでしょう。
数百? 数千? 数億?
もう数えるのを止めてしまうくらいの月日が経ったある日のことでした。
私はついに見つけたのです! 理想のご主人様を!
『………』
全身ツギハギだらけの殿方。刺々しい髪型も素敵ですが、なにより素敵なのはあの目! 鋭くつりあがった眼尻がとても素敵ですわ。
あの眼で見られているだけで、絶頂を迎えてしまいそうですわっ。
―嗚呼、苛めて欲しい。あのツギハギの殿方に 縛られ 罵倒され 殴られたい ですわ…。
『………♪』
『………ッ』
ツギハギの殿方の傍にいる二匹。
赤い頭巾を被った金色の瞳の娘。
杖を握りしめブルブル子犬のように震える童。
―嗚呼、なるほど。そうだったのですね。
ツギハギの殿方との出会いにとても運命的なものを感じていましたが、それは私の勘違いでした。
―だってあの方達は 私を殺しに来たのですもの。
世界でたった一人しかいない、目に入れても痛くなかった、最愛の妹 ラプンツェルを殺した、犯人なのですから。
あの方達はラプンツェルを殺したその手で私を殺そうと、ここまで来たのです。
『あなたが竹美姫? アハハハッ、殺してあげる♪』
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