71部分:第七話 関羽、山で三人の戦士と会うのことその四
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第七話 関羽、山で三人の戦士と会うのことその四
「ではこのまま騒がしく進むべきだな」
「山賊が来れば倒すだけだ」
関羽は彼等についてはこう言い切った。
「容赦せずにな」
「そういえば袁紹さんの領土はかなり治安がよかったですね」
ナコルルは思い出した様に言ってきた。
「山賊や盗賊に遭ったことはありませんね」
「そうだったな。幽州にはそれなりにいたが」
関羽もこのことを言う。
「それだけ袁紹殿の政治が上手くいっているのだろうか」
「公孫賛殿も頑張ってはいる」
趙雲もこのことは認めた。
「だが。あの方は本質的に武人だ。政治はあまり得意ではない」
「それでなのか」
「山賊達は討伐するだけでは駄目だ。元を断たなければならない」
「民が山賊にならざるを得ない様な状況にしないことか」
「そうだ。そして公孫賛殿のところには人が集まらない」
趙雲はこのことも話した。その理由もだった。
「あまりにも影が薄く。誰にも気付いてもらえないからだ」
「待て星」
関羽も今の言葉には流石に唖然として突っ込みを入れた。
「幾ら何でもそれは酷いではないか」
「しかし事実だ。実際袁紹殿もその配下も最近ではあの方の存在を忘れかけているかもな」
その通りだった。趙雲の読みは流石だった。
「あの方にとっては気の毒だが」
「人材もいないとなるとか」
「一人でやれることは限られている」
趙雲の言葉は続く。
「それでだ。幽州はどうしてもその内政に限界が出て来ているのだ」
「それで山賊が多かったのですか」
「そうなる。袁紹殿や曹操殿はその領地を万全に治めようとされているがな」
趙雲はナコルルにも話す。そんな話をしながら山の中を進む。
夜を過ごしそれからまた歩きはじめる。その時だった。
「むっ!?」
「この声は」
前にある森の中から喧騒が聞こえた。その声は。
「戦いだな」
「そうなのだ」
「打ち合う音も聞こえる」
「ということは」
四人はそれぞれ言ってだ。そのうえで前に向かう。すると三人の美女達が柄の悪い粗末な武装の男達を次々と蹴散らしていた。
「ベノムストライク!」
「必殺忍蜂!」
「重ね当て!」
三人の美女達はそれぞれ技を放ち拳と脚で山賊達を薙ぎ倒していく。そして山賊達はすぐに捨て台詞を残して逃げ去ったのだった。
「くそっ、覚えてやがれ!」
「今度会った時は容赦しねえからな!」
「いいな!」
「ふん、情けない」
金髪のショートにブラウンのタキシードの長身の美女が逃げ去る彼等を見据えてこう言った。そのスタイルはかなりのものである。気が強くしっかりとした顔立ちは精悍さすらある。そうした美女であった。
「山賊なんてこんなものね」
「そうね。所詮はね」
「烏合の衆ですね」
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